K藤家の建築状況

 K藤がニセコに家を建て始めたのは2006年の春からであるが、その年は基礎と暖炉と軸組を組んだだけで冬を迎えてしまった。出稼ぎに帰郷して資金を溜め、また2007年の5月から作業が再開され有る程度の進捗になってきた。 その途中での状況を確認(野次馬)するために10月15日にK藤家を訪れた報告をする。 


敷地から見るニセコ連山
 
畑越しに後方羊蹄山も見える

木材の多くは敷地の木
 
柱と梁の交差部分

外壁は丸太の積上
 
内壁の仕上がり状況
 
断熱材を入れる前の天井裏
 
中央に鎮座する暖炉

継手の加工も自作

モルタルも自家調合

図面は簡単な手書き図

この日は煙突の仕上げ

複雑な屋根の曲面

見上げれば高い木立

砂利道だが車で辿り着ける

夜はキノコ沢山の石狩鍋
 
 元々は機械技師だったK藤は様々な経緯の中でログハウスを建てる建設メーカーに入り建築技術を拾得した。その後、札幌に移り、収入のため長距離運転手を行う中でニセコの土地を購入する。彼は働いて得る金で建築会社に施工を頼むのではなく、家を自分と嫁さんだけの手で建築することを選んだ。分業が進んだ関東では珍しいことであるが、ニセコ周辺では多い話で、彼の隣の敷地も個人で建築中であった。
 建築材料は出来る限り自分の敷地の中の物を使用すると言うことで、主要な構造材も壁材も林を切り倒した木材である。そのため太い材がないため、大きな1枚板が取れない。その事が逆に曲面を多用する複雑な形状になり、決して同じ物が出来ないオリジナル製品となっている。平面形状は平仮名の『の』を逆にしたような角のない形状で、屋根もそれに追随させるために複雑な曲面形状となっている。
 外壁は丸太をモルタルで積み上げて居る構造で、中間部に空洞を設けることで断熱構造も兼ねている。この壁厚なら対戦車ライフルも止まるので有事の際には砦に成りそうだ。まだ外壁の施工が終わっていないので防風のためにブルーシートを巻いてある。これが無くなると印象的な外観を持つ家が出現するだろう。
 建物の中で最も力を入れているのは中央に鎮座する暖炉で、将来的には暖炉施工を収入の柱にしたいという事である。この日も煙突の施工を行っていた。モルタルの乾燥のため1ヶ月は火を焚けないと言うことだがこれからの寒さを思えば暖を取りながら施工せねば厳しいだろう。
 千坪を越える敷地の中に18坪程度の平屋を造るという贅沢も羨ましい。除雪も辛いだろうが今年の冬は無事乗り切って貰いたいと願う。私も次は豪州人がゲレンデや街中に溢れる冬にでも訪問しようかと思っている。
 
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