実施日時 2008年(平成20年)3月23日(日) 08:30〜15:40
 「氷河期の生き残りを見る亀山の自然観察会」のテーマにて2008年度の自然観察会を行いました。
 参加者は25名(塾生6、一般18、案内者1)でした。

 木更津駅7:21発の久留里線下り列車で上総亀山駅に8:30に到着し、駅前で受付を開始しました。今回は保険代と通信費以外に東大演習林通過の案内者(ボランティアガイド)謝礼が加わるため、前回の200円から大幅値上げとなる500円の参加費を頂きました。新規に参加した方は7名程度で、前回の鋸山に参加した方も大勢居ました。
 
 受付終了後、地曳自然Gr代表の挨拶で観察会は開始されました。今回のコースは氷河期の生き残りと言われる樅や栂等の植物を見られるコースであると石井さんより資料を元にした解説があり、次いでボランティアガイドの石川さんから東大演習林の概要を説明をしていただきました。そして諸注意を行ってから出発です。
 
 上総亀山駅から三石観音入口まで車道を歩きながら目にする植物の説明を行います。一気に標高を稼ぐ登り道ですが、途中途中で解説時間の歩行停止が入るのであまり苦になりません。周りには豆桜も綺麗に咲き、里山は水を張り美しい春の風景です。
 この季節に観察会を企画したのは、これ以上に暑くなると山蛭が動き始め、不快なコースになるからです。清澄周辺で鹿により生息範囲を拡大しつつある蛭はどうにかしたいものです。
 
 三石山からは東大演習林の淵を通る稜線の山道に入ります。解説の看板も所々に見られ、整備の良いコースです。途中で破綻したゴルフ場も見下ろせます。現在は草原の間に赤松が混じっている状況ですが、長い目で極相に遷移していく課程を見るのも楽しいかも知れません。
 栂や樅を見ながら地蔵峠まで到着すると、稜線を離れて東大演習林に降りていきます。入口はパイプで閉鎖されています。それは貴重植物を乱獲する人が増えたからだと石川さんは言っていました。今では東大の指定する案内者が居ないと通過することも出来ません。
 
 演習林で行われている林業実験等の解説を受けながら郷台作業所に12:45に到着し、遅めの昼食を取ります。外でセコイアの木の下で食事にする人や、施設の中に上がらせて貰って食事を取る人も居ました。解説書を売っているのは独立行政法人に移行したせいかもしれません。
 作業所ではトイレも使用させていただき、さらに行っている研究の一部も聞かせていただきました。観察会の参加者からは、春と秋の演習林解放の時もここまで奥には入れないからと興味深いと好評でした。
 
 13:30に作業所を離れ、折木沢に沿って林道を延々と歩きます。作業所から駅まで2時間かかる道のりです。谷間の道にはシダや草花に変わったものも多く、中には石井さんが即答できないものもあり図鑑等で調べたりします。
 黒滝手前のゲートは盗掘者防止のために丈夫な構造で、ここまでやる必要があるかと思うようなものです。
 
 亀山駅に帰り着くと乗車予定の16:01発の久留里線車両に企画列車である『風っ子くるり号』が接続されており、観光客も鉄道マニアらしき人も大勢居る中で解散式を行い観察会が終了しました。帰りの列車に乗り込む前にビールを購入している人が大勢居ました。
 
 今回はコースが長くて、後半は慌ただしくなったことが反省点です。次回は都市近郊の里山に舞台を戻そうかとスタッフの間で話し合われました。
 
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行程図

東大演習林自然観察会報告