下関、因島ドライブ 1987.7.10〜1987.7.13 トヨタ スプリンタートレノ
 神戸で2年目の夏を迎えた頃、S井から西日本の旅をしたいと電話が来る。自転車でなく、純粋なドライブも良いかなと思い、有給の申請を行う。

 集合場所は鳥取駅で、夜行出雲で来るS井を拾う形でスタートすることに決まったのは前夜のことである。10日は残業を21時には切り上げ、そのまま寮に帰らず北上を開始し、鳥取郊外に午前2時頃到着して河川の堤防敷で椅子を倒して仮眠する。
 早朝の鳥取駅でS井を拾う。彼は東京駅で時刻表を買ってきたと言い帰りはまだ決めていないと言う。私も昨日の夜気づいたのだが道路地図を持ってきていない。鳥取砂丘で遊んだ後、倉吉の本屋で全国道路地図帳を購入する。2人とも自転車でないだけにどうにでもなるさといい加減な物である。
 『ラーメン』と注文すると黙っていても九州ラーメンが出てくるところに行きたい、とS井が言うので新見から中国道に乗り門司まで走り、適当なラーメン屋に入って『ラーメン』と注文。きちんと豚骨ラーメンが出てきて感動して食べ終えたら関門トンネルで下関に帰り駅前のステーションホテルに泊まる。

 翌朝目覚めると窓の外には乱雑に広がる低層のビル群にアジアの街並みの気配を色濃く感じる。高速で六日市まで走り、21歳の夏にS井が転倒骨折した現場を訪ねる。その時のことはショックで綺麗に記憶から消えているそうだ。現場検証が終了したら大林映画のロケ地である竹原を訪ね、何となく橋を渡って因島に宿泊。最初に訪ねた宿は造船所労働者の宿泊場所みたいな場所で中を見て断り、次に行った因島シーサイドホテルに泊まることにする。たまたまその夜は花火大会の日で、ホテルの部屋から正面に見える絶好の位置だった。しかし男2人で花火を見ても面白くないので、賑わう街中に出て浴衣の女の子を見ながらたこ焼き食べて麦酒飲んで楽しんだ。

 3日目は鞆の浦で古い街並みを見て回ってから福山駅でS井を降ろしてのんびり2号線を走って神戸に帰った。
特に計画性もないが楽しい夏のドライブになった。

ブラッとドライブ memo.01