冬の北海道ドライブ 1989.12.28〜1990.1.7 マツダ ファミリア4WDターボ
 公団職員として過ごす最後の冬は思いっきり遊んでしまおうと北海道での越冬を企画する。S井、K藤、F原、W辺も賛同してくれ、盛大に年越しを行うこととした。

 仕事納めの日に有給を使い、その前日である27日の仕事を終えて寮の片づけも行った後で夜行急行「能登」で来るS井を上田駅に迎え、その足で信濃川沿いに新潟を目指し夜の運転をする。飯山周辺の豪雪に苦しみながら新潟に到着し小樽までの船に乗る。冬の日本海は大荒れである。満員の乗客が居るのに食堂や風呂は空いている。唯一込んでいるのが便所であり、大波を越えた衝撃が有ると一斉に吐く音が聞こえる。S井はベットで寝たきりに成っている。船に強い私も気を緩めると酔いそうである。
 29日の暗いうちに小樽港に着きミラーバーンの5号線をニセコまで走る。スキー場に着くと寒すぎて直ぐにフェイスマスクを購入してから滑り始め、この夜はYHに泊まった。同室の青年が一生懸命年賀状を書いていた。
 30日は小樽観光に運河に行くとロシア人に英語で話しかけられ自動車屋を探していると言われる。旅行者だから解らないと答えるが他の日本人が避けているようで、何とかしてくれと頼まれ、大男を大勢従い町を歩き回る。探し出した自動車屋の前でロシア人と別れ札幌に着き、電車で来たK藤とF原に合流。モイワ山スキー場のナイターを楽しんだ後はススキ野の居酒屋で再会を祝った。
 31日は夕方の上川駅で落ち合おうと約束し、また2人と別れて旭川買い物公園を見に行く。こちらはダウンジャケットを着て手袋をしているのにミニスカートの女の子まで居る道産子の耐寒性に感動を覚える。そして上川で酒を買い込み2人を拾って層雲峡温泉に行く。W辺は妹とその友人をつれて先に着いていた。年越しの大御馳走を食べ、氷点下30℃の世界で凍らせたファンタにウオッカを入れたものを飲んで紅白やゆく年来る年を見ていた。

 元日には黒岳スキー場で初滑りをする。大雪の一部だけ有って気温も低く雪質は最高であり、ダイヤモンドダストまで見えるが鼻毛が凍るのが解るほど寒い。ロープウエイの駅で食べたラーメンが安くて美味かった。この日も層雲峡温泉に連泊する。
 翌朝は現地解散で私とS井は道東を目指す。W辺も妹達と別れて車で付いてくる。石北峠を軽トラに煽られながら越え、網走でジンギスカンを食べた後で能取岬に向かうと関東ナンバーのオフロードバイクを見かける。倒れたら起こせるように靴にはアイゼンを付けているのが楽しい。一緒に記念写真を撮って別れ、摩周湖YHに泊まる。
 3日は朝食前に摩周湖展望台に登る。珈琲を飲もうとバーナーに火を付けるが寒すぎて湯が涌かない。火力が足り無いのだ。仕方なく宿に戻り朝食を食べ、釧路から帰るW辺と解散する。釧路湿原を見てから西に進み池田の民宿ワインの国に付く。最初はみんな無口で気まずかったが夕食後に十勝川温泉に一緒に行く中で仲が良くなった。
 4日はパラグライダーを体験し、風が悪くなった午後には皆で帯広観光を楽しんでワインの国に連泊する。そしてこの日の新入りの客に対しては無口を決め込むのだった。
 5日は襟裳岬を回って室蘭港まで長距離ドライブである。一緒に帰ろうと約束していたK藤は待ち合わせの時間に静内駅に来なかったため帰路もS井と2人である。室蘭からは大洗行きの船に乗る。来るときの日本海航路に比べると鏡の上を滑っているような快適な船旅である。
 6日の午後に大洗に着いて51号線で木更津に帰った。この年の正月休みは1日だけを故郷で過ごし、翌7日に上田に帰っていった。

※写真はイメージです。

ブラッとドライブ memo.02