不法投棄の問題について
2006/12/ 3記
 昨日、地区の忘年会があり、その中で不法投棄がだいぶやっかいな問題になっていることを知った。たしかに犬の散歩のコースにある自衛隊滑走路延長線上の国有地にもよく捨ててあるし、前に工事監理をしていた羽鳥野の現場にも夜の内に様々なゴミが捨てられていた。人の目が届かないところでは何をされるか解らないので、港南台とかでも家を建てる見込みの無い区域は道路に車が入れないよう置基礎式のガードレールなどが置かれている。特に矢那と烏田の間にある鎌倉街道などは深夜の交通が全くないのでゴミの山に成っている場所を沢山見る。

 家庭用のゴミの分別が面倒だからか、テレビ等の有償ゴミの処分費を払いたくないのか、わざわざ夜中に車でガソリン代を使ってゴミを捨てに来る住民が居る。それ以上に酷いのは建物の解体や改修で出た廃棄物を業者が捨てていく場合である。もちろんこれらは全て違法行為である。

 アメリカの社会科学者が実験で車を置き去りにして人々の行動を観察したが、そのままでは何も起きなかったが、その車の窓を割っておいた場合、急に落書きされたりゴミを周辺に捨てられたり中のステレオやタイヤは盗まれたりという秩序の乱れた行為が始まったそうだ。窓を壊したことからブロークンウインド理論と言われていると聞いた。それは不法投棄の問題も同じで、一度ゴミが捨てられ、それが数日撤去されなかった場合は次の投棄を誘発する。だから住宅が連続しない、人口の少ない地域では広い範囲のゴミの片づけで疲れ果てている状況なのだ。

 今後仮にアクアラインが安くなってしまった場合、神奈川や東京の業者が不法投棄に橋を渡ってくることは充分考えられる。現在は橋の料金が高いので陸回りになり、比較的都心に近い側の市原市が大変な状況になってる。それでも平成16年9月12日には富津の志駒川に硫酸ピッチがドラム缶52本も投棄されるなど、現状も決して安心できない。

 不法投棄を防止する方法は厳罰化と取締の強化しか無いと思う。100回に1回でも発見されれば赤字になるぐらいの罰金と社会的な制裁を掛けなければ捨て得の状況は変わらないだろう。ただ法令で罰金の上限が決められているので有れば、撤去に伴う現状回復の要求を高くすることで費用を高騰させると言うことも考えられる。
 また、取締の強化と言うことでは、不法投棄を発見した市民は、不法投棄者が支払う罰金の一定割合を取締謝礼金として受け入れられるという制度を設けたら、深夜の見回りを自主的にする者も増えるであろう。但し違法行為を行うような業者とのトラブルを招く事で暴力犯罪につながる可能性もあるし、勝手に人の家のゴミを捨てて、さも発見したようにして謝礼金を受け取ろうとする輩が現れる可能性もある。
 重要なことは、木更津では変な制度があり、仮に不法投棄をすると直ぐ発見されるし、罰金も高いという評判が立つことで、遠くの地域からわざわざ投棄に来る意欲を削いでしまうことだと思う。

 個人的にはアクアラインの値下げ運動の前に取り組むべき課題であると思う。せっかくこの地域が東京湾岸の中で個性を持つことは豊かな自然なのだから、それを磨き上げる事を考えて行かねばならないのではないだろうか。