地震災害の発生する前にすべきこと
2007/2/3記
 阪神大震災から12年が経ち、その間に中越地震や海外でのスマトラ地震などが有り、僅かずつ地震防災に対する取り組みが進んでいる。具体的には高速道路や幹線道路などの橋梁補強工事や学校の耐震診断、耐震補強工事の進捗である。
 しかし、例えば耐震補強の進み方を視ると、袖ケ浦市では既に完了しているのに木更津市ではまだその途上に有るとか、そもそも市役所が耐震補強前であるなど、対策の遅れが目立つことも事実である。

 東海地震の発生周期については諸説があるが、多くの地震学者の共通した見解は「いつ発生してもおかしくない」という事である。対策の完了した隣接市と対策前の本市が同時に被災をして、その片方に被災者が集中するとしたら、それは天災というより人災ではないかと思う。
 
 災害に対する認識と危機感の持ち方にあるが、公共施設が崩壊しない緊急措置というのは一刻も早く取るべきではないだろうか。資金不足であるなら外観やデザインを後回しにしての応急措置でも構わないと思う。
 予算的な制約が大きいので、全てを直ぐに対策できないという事も解るが、前年並み予算枠の中では緊急対策が出来ないであろう。起債については法的な拘束も色々あるだろうが、特に老朽化の進んでいる小中学校については市民に債権を購入して貰ってでも費用を工面して対策を急ぐべきであると思う。
 それすら困難で有れば、学区制度を一時的に見直して危険な学校を補強完了まで休校にするとか、地域の小学校と中学校のうち丈夫な方で集約的に授業をするとか、ソフト面で出来ることからするべきでないだろうか。

 大きな災害が起きた場合、その被災者に対して「あの時こうしておけば」という後悔を出来るだけ少なくさせることは政治側の責任だろう。