一般競争入札の導入について
2007/2/17記
 今朝の千葉日報や朝日新聞の第1面では全ての自治体で一般競争入札を導入する方針を総務省と国土交通省が決めた事を報じていた。
 宮崎や福島の談合を受けての対策であるが、現在の入札制度の問題点を一般競争入札にすることで解決できるとはとても思えないので、木更津市でどのように対応していくか考える必要がある。
 
 現況の問題点としては、例えば施工能力の無いような疑似商社が安価で入札し、工事の前渡金を受けてから会社解散するという最悪の状況も聞いた。貰い逃げである。
 それほど酷くなくても、前渡金が無い工事でも受注実績を元に金融機関から工面するための手法として使い、施工は品質管理能力のない安いだけの下請けに出すという状況が全国的に見られているのである。倒産しないために目の前の金を欲しがる会社はモラルもなく打つ手がないという話も聞く。
 
 自治体も工事を発注するというのは所定の期間からの使用を前提としているので品質の悪いことが解っていても完成を認めなければ成らない場合が多いという、足元を見ているような悪質業者も居る。そのような業者は1回の利益を得ればそれでよいという体質なので悪評が立つことも気にしないのであるし、一般競争入札では悪評があるだけでは排除しにくい状況もある。
 
 しかし、現況の指名競争入札は「指名」という行為の中に官民の癒着が発生しやすい。また、入札に参加するメンバーが現場説明会で顔を合わせてから数日後に金額を提示するので調整しなさいと言っているようなものである。これでは談合が発生しない方が可笑しいのも現状である。
 同じようなメンバーばかり集まる中ではボス的な会社が発生して業界の空気が民主的でなくなる状況も多く発生する。閉じられた世界だけでなく本当に良いものを作る事の出来る外部の会社を入れることで空気を入れ換えることは必要なことである。
 
 重要なことは、しっかりと能力も意欲もある社員を抱える会社が正当に受注でき、建設業界を誇りに思える環境を調え、優秀な若い人材が建設業界に進もうという考えを持つことで技術の継承が出来て、この地域に災害等が発生した場合に対応できるような人材を確保育成する事だと考える。