子育て環境の整備について
2007/3/16記
私の友人がもっと具体的な子育ての環境整備を書けと言うので彼の意見も加えながらまとめてみた。
 
○子育て支援
 今の若い世代では共働きが一般的であるが、子どもを出産した後の女性が職場復帰するのに楽な環境とは成っていない。それは子供を預けられる場所の整備が不十分だからである。
 木更津では子供が減少しているので保育園の入園待ちの酷い都心部に比べると状況は良いが、預けられる時間や収入の問題などもあり決して使い勝手がよいとは言えない。保育園の対応が難しいのなら、民間の幼稚園での延長保育の費用負担を軽減する措置なども総合的に考えるべきかも知れない。
 子供を幼い頃から大勢人の居る施設に入れることで、一人っ子も擬似兄弟経験が出来ることが良いと友人は言っている。また、子育て支援のNPOは奥さん連中に好評で、このようなNPOや民間サークル活動を陰ながら支援し、広報するのも行政の仕事だろう。
 
○医療費補助について
 義務教育である中学卒業まで医療費や給食費など全てを負担する自治体も出ているが、多くの友人は子供の医療費に苦労している。自分が育った環境では病院にもろくに行けなかったが、今では子供を大切に思うのか、月数万円程度の医療費を掛けている友もいる。子どもの医療費補助は自治体の格差が大きく、その為に隣接市に移転していった友人も何人か知っている。
 親の故郷意識は木更津にあっても、木更津以外の学校で育つその子供は精神的に木更津の子供では無くなってしまうだろう。他で育った者に郷土愛が無いとは言わないが、木更津時代の同窓会を開きたいという子供を多く育てるのも行政として重要なことだと思う。
 繰り返しになるが、その為には木更津での子育てコストが隣接他市に比べて著しく高いという状況を解決する事が必要である。
 
○学校でも勉強意欲の醸成について
 木更津は学校支援ボランティア制度が他の自治体からの視察が来るほど成功している都市で、有る程度の社会教育を学校教育と別に行えている街だと思う。しかし、駅前の治安が悪いという県外人も多く知っている。学校教育の現場では経験の豊富な団塊の世代の教員が減り、オイルショックの時期の採用抑制世代という層の薄さもあり、急にバブル期採用世代まで飛び、充分な授業の進行をしいないと友人は言う。
 自分の中学時代の記憶では若手の方が情熱が有った分、熱い思いが伝わり、通り一遍の授業しかしないベテランより好感が持てたが、自分の同級生である群馬大学教育学部の一部の生徒を見ていると夏休みが多く取れるからというような理由で先生になりたがる者も居て、情熱のない若い先生も増えてきたようなので、複数担任制を設ける事で細かい指導も出来るようにしないといけないのかも知れない。
 いずれにしろ、日本の最大の財産は優秀で勤勉で社会秩序を護る国民なのだから、それに向けた教育を続けることが国や地域の安定に繋がる事になる。
 多くの子供は勉強を詰め込まれることで、楽しいものとは思わないであろうから、知識に対する意欲や目的意識を持たせるために地域社会のプロフェッショナルが自分の得意分野を面白おかしく授業で話すことも良いのではと思う。
 その話の中から将来の夢や希望が漠然と出来て、その為にどのような勉強をするべきかという目標も持って貰えると良いだろう。
 仮に自分の仕事を伝えるのなら、人々の生活の中で社会資本が有ることで如何に良い生活が送れるように成ったか、とか、模型より楽しい具体的な建造物を作る場合、与えられた図面から実寸を出す中で円の計算や三角関数がどのように役に立っているか等を楽しく話すことが出来ると思う。
 地域を見渡せば新日鐵や出光の研究所、さらにはDNA研究所まであり、多くの知的で経験深い人は地域に多くいるはずだ。
 そのようにして目的を持った学習意欲という感情の伝承が有れば、自分探しの旅などという、一見有意義で実は何もない事の多い時間やニートや引きこもりも解消できることだろう。
 孟子の母ではないが、木更津に来ると良い子供に成れるという噂を作り出せるだけの仕掛けは有っても良いと思う。