安い地価の中で進む住宅建設について
2007/3/27記
 選挙戦が忙しくなったと言い訳をしたくはないが、新たな文章の追加が遅れてしまった。その間に公示地価の発表もあり、いよいよ木更津の地価が反転に向かったというニュースも聞いた。
 膨大な宅地用地を抱える木更津市にとって地価の上昇は財産価値の増加となり、区画整理事業の採算向上や不動産業等の活性化に繋がる反面、著しい増加は個人にとっては資産税の増加による増税感や自治体にとっては公共用地の取得困難に繋がる等、悪い面も発生する。
 現在の程度の緩やかな回復で有れば、下落率連続日本一を記録していた頃に市民の間に広がった精神的な敗北感を拭い去る効果が出て良いのかなと思う。
 
 現在の区画整理区域内の販売価格は、多くの場合造成価格を下回り、その差はゼネコンや地権者等の損失で処理されている。そのようにして成り立っている安い価格の中で、若い世代が積極的に土地を購入し、家を建てている。
 水越市長から聞いた話では昨年の住宅新築戸数は750棟となり、これは君津・富津・袖ヶ浦の3市20万人分を合算した棟数に勝っているという事である。
 1棟平均2千万円とすると150億円分の建築事業が営まれていることになり、活気が良くなってきても可笑しくないと思うが、まだ末端への波及を感じられる状況にはない。さらには若い世代の転入に伴う購買力の増加も発生しそうだが郊外店で吸収されているようで木更津旧市街では特に大きな変化を目撃しないばかりか、相変わらずの下り坂が目に付くばかりだ。
 それでも木更津ではせっかく築いた市街化区域の住宅用地という財産を活かして民間活力による景気の増大を図るのが良いと思う。その結果、市としても税収の増加や上下水道特別会計の健全化が図れることが見込まれる。
 しかし、現に存在しない調整区域の田圃を埋め立てという小規模の開発を行い、大量に住宅地として供給していることも巌根方面に多く見られる。これは市街化調整区域への建築を緩和する法政策の変更によるものである。この水田の埋め立ての増加は水害の発生や交通集中による渋滞の発生等の危惧も招き、悪戯に歓迎できない。
 安い地価の中で進む住宅建設や開発について、民間の自由にさせても良いものか、市として方向性を決めて計画的に展開して貰うべきか、その辺りをもう少し整理すべきではないかと思っている。