築地開発の周辺で取るべき事について
2007/10/13記
 昨日傍聴した総務常任委員会で築地で計画されている商業施設が県に事前確認を取った図面を提示していただいた。周辺道の拡幅や建築の平面計画等も具体的になり、かなり進んでいる状況の報告を受けた。平面図は著作権の問題もあるかも知れないのでアップしないが、曲線を多用し吹き抜けも不規則に設けた、変化を前面に出す最近のデザインであった。市原のユニモの回遊性の通路とは違うが、施設としては結構魅力的かも知れない。
 
 大型商業施設の建設は都市生活の充実や多様化、雇用の拡大、税収の増加など多くのメリットがあるが、古くからの商店は売上が減少して厳しい状況になるだろう。特にシネコンが出来たときには木更津の文化とも言えるノスタルジーを感じさせる映画館群は、きちんと名画座などになっていくだろうか。
 
 人々の回遊を考えた場合、築地は余りに木更津駅から遠くとても歩いていくものは少ないと思われる。しかし、昨今の健康を意識した散歩の流行を考えると、安全で快適な歩行空間を作れば、街中に人が集まることも難しいことでは無いと思う。
 現に私の携わった羽鳥野に出来たODOYAでは大久保や八幡台から手ぶらで散歩して来て、買い物をして帰る人が多く見られた。ちはら台に開店したユニモでも同じ現象が起きていると聞く。
 
 築地からの歩行者導線を考えると、いきいき館の南側にある歩道橋を渡り、水際を市役所に向かい公設市場前を横断して矢那川沿いの歩行空間を設けることが親水性の高い空間を演出できる。さらに矢那川沿いの導線を矢那川公園まで延長することで駅東からの歩行者導線も導けるし、中之島大橋まで延長することで観光の導線にもなる(右図)。
 
 ただ、この案には多くの問題がある。
 川沿いに飲食店が並び賑わいを取り戻すのは世界的な流れになっておるが、潮見地区は準工業地帯であり、潮見緑地内に歩道を設けたところで周辺の景観が安らぎを与えることが出来ない。
 また、休日の散策用駐車場として市役所駐車場を開放できる設定にすると2本の歩道橋を新設しなければならない。その先の公設市場については一般市民利用を可能にすれば面白いのであるが制約も多いようで困難らしい。そうなるとわざわざ歩道を2個も架ける必要性が少なくなり、県道の歩道部分の拡幅でも良いかも知れない。
 県の管理する矢那川は、矢那川公園より下流が垂直護岸となり歩道スペースが併設できない状況である。12年ぐらい前に県が矢那川の改修を計画する中で、市民代表という立場で青年会議所のメンバーが呼ばれ、一度意見をしてきたが、その後の進展も無いから事業化は進まないであろう。
 
 いずれにしろ今のままでは車で訪れるだけの旧市街と隔離された大規模商業施設となってしまう事は明かである。オープンには間に合わないかも知れないが長期的な取組を進めて行くべきであろう。