港湾整備について考える
2007/11/03記
 昨日、会派で渡辺県議を交えて木更津港整備計画の変更に伴う勉強会を行った。来年が港湾計画改訂の年になり、その計画に基づき約10年間事業が施行されるので、地元の意向が大切になるのである。市議会としては荻野委員長の元、みなと木更津活性化特別委員会を設けて対応しているが、議員一人一人の認識を高めることと、会派としての問題意識の共有化を図るための勉強会であった。
 
 全国を見て回った中で、要塞と言われる青ヶ島三宝港や防波堤が建設できないために船舶を係留できない北大東島の港など、とても特異な港も多く見てきたが、ここ木更津の港湾整備は、市街地から近接した生活の近い港湾という特徴がある。ただし、重要港としての木更津港で考えると君津の新日鐵岸壁や富津の東電岸壁も含まれ、生活感が無くなるが、我が市として考えることは中之島大橋の内側の内港部分と木更津南部の木材港や砂利搬出に使われている岸壁である。それ以外に江川漁港も重要港湾の一部であるが今回の計画変更の議論の主要なものではない。
 
 現在築地地区で事業が進められている大規模商業施設と木更津市街地を結ぶ回遊性を向上させるため、また西口の活性化の方向として港湾整備が位置付けられているが、前回の計画にあった木材港の埋め立てなど、議論の対象になるものが多くある。全体的な方向としては、財政状況もあり縮小傾向のようだ。
 
 個人的な感想であるが、市街地から港を連想される有る程度の人口規模が有る都市を木更津から時計回りに列挙すると、東京竹芝、横浜、横須賀、熱海、下田、沼津、清水、名古屋、尾鷲、和歌山、大阪南港、神戸、玉野(宇野)、高松、高知、土佐清水、宇和島、八幡浜、松山(三津浜)、今治、坂出、笠岡、福山(鞆の浦)、尾道、因島、三原、竹原、呉、広島、柳井、徳山、下関、別府、臼杵、日向、垂水、鹿児島、西之表、名瀬、名護、那覇、宮古島、石垣、枕崎、串木野、水俣、島原、長崎、佐世保、平戸、五島(福江)、対馬(厳原)、唐津、福岡博多、北九州小倉、長門(仙崎)、境港、宮津、舞鶴、小浜、敦賀、坂井(三国)、輪島、七尾、氷見、富山(伏木)、直江津、新潟、酒田、秋田、能代、青森、函館、小樽、稚内、網走、根室、釧路、室蘭、むつ、八戸、宮古、釜石、越前高田、気仙沼、石巻、塩釜、いわき小名浜、那珂湊、銚子、勝浦、館山である。
 市街地から離れているため静岡、熊本、鳥取、金沢、仙台などは港湾のイメージが出てこない。産業港になっていて市民が日常的に近付きにくいと言う意味で千葉、川崎、四日市、堺、尼崎、徳島、苫小牧などは除外した。また海岸に近接しながら個人的にイメージが結びつかないという理由で津、赤穂、下松、佐伯、江津、柏崎、相馬、などをリストから除外した。
 
 木更津港は今でも気軽に中之島大橋を渡り中之島に行けるし、厚生水産で海産物を購入できる。海に近いマンションからはオーシャンビューを楽しんでいるだろう。白砂の浜辺はないが、潮干狩り場は有る。船舶も無粋と批判の多いガット船(砂利運搬船)も多いがレジャーボートも沢山係留されている。それでも人を引きつける賑わいの場が無いことが改善すべきポイントであろう。
 ではそのような参考になる都市は何処かと考えると、横浜港の大桟橋、名古屋港のイタリア村や大阪南港のATCなどがある。しかしこれらは巨大都市の力で成し遂げたもので木更津には身の丈に合うものでは無いだろう。
 デザイン的には高松港や尾道港、下関港や佐世保港で成功した事例が有ると聞くが実際の所は解らない。感性を磨くため、見に行く必要があるかなと思う課題であった。