木更津市は負け組か
2007/12/16記
 15日の朝刊に「自治体格差が国を滅ぼす」(田村秀著:集英社新書)の公告があり、本日買ってきて目次を読むと「負け組自治体?」の章に夕張市、大阪市西成区に挟まれ我が木更津市が並んでいるのに驚かされた。「勝ち組自治体?」の章には浦安市、豊田市、芦屋市が並んでいるのだから選別の目は悪く無さそうだ。
 本文を読んでみると木更津市を負け組に扱った理由は『地域経済の停滞で頭を悩ませている自治体だ。・・・中略・・・バブル経済の崩壊を最も手ひどく受けてしまった結果が日本一の地価下落率であり、中心市街地の寂れぶりは目を覆うばかりだ。(P31)』という事である。
 確かに地価下落率日本一を連覇し続けたことも有ったし、駅前からはダイエーとSOGOが撤退し、EPO(旧西友)、ショッカー(旧十字屋)は完全に消滅してしまった。一時は都市銀行のほぼ全ての支店があったが今は数えるほどになってしまった状況が脳裏をよぎる。引き続き本文を読み進んだ。
 
 本文にはアクアラインの効果が出ない事や中心市街の空洞化が進んでいる事は書いてあるが、郊外のジャスコやアピタの事にも触れているし、持ち家奨励制度による注文住宅の売れ行きが好調な事も触れている。アクア木更津の状況やキャッツアイ制作者への市民栄誉賞授与も書いてあり、決して地に落ちた状況とは捉えていない。要はバブル崩壊の影響と地価の変動に振り回されたモデル都市として選んでいるようだ。
 
 深く追求すれば、この地価の下落により土地公社の経営が破綻し、多くの区画整理事業が採算割れを起こした事も見えてくるだろうし、良い面として、交付団体とはいえ全国的には採算が良好な方で有る事や、人口にしても長年12万人台を維持している上に近年は増加に転じている事など、全体像を捉えて欲しいのは地元住民としての意見である。
 
 ともあれ、著者は東大から自治省や三重県財政課長を経て新潟大学の教授になった、私より2歳年長の方である。多くの自治体を見てきた経験から木更津市が負け犬?(この「?」が絶妙である)に思われている状況を把握し、数年後にはバブル崩壊の荒波を乗り越え、フェニックスのように復活した都市、と呼ばれるように頑張らねばならないな、と本を読みながら思った。