政策判断の重要性について
2007/12/22記
 今回の12月議会で金田総合バスターミナルの問題を斉藤議員が取り上げていたが、お隣の袖ヶ浦バスターミナルが改築工事中でもあり、現場を見に行ってきた。
 改修している理由は便数が増えたことによる現在のバスレーンが手狭になったことと、福王台方向から南下してくるバスも導入できるようにするためと聞く。要はより充実すると言うことだ。
 議員になり、アクアライン開通直前の政策判断を聞く機会があった。その頃は木更津駅西口に立体駐車場の建設が具体化しており、郊外型バスターミナルについては要望の出方を待ってから対応すると言うことで袖ケ浦市とも方向調整がされていたようだ。
 しかし、開通が近くなる頃、袖ケ浦市が現在の位置に郊外型のターミナルを建設する方針に変更したのである。その後造られる木更津駅東口の「銀の鈴」に比べても待合室は華美でなく、案内看板も比較的地味であり、規模もそれほど大きなものでなかった事は利用率に自信がなかったためなのかは解らないが、それが結果として初期投資の低減と、周辺土地での駐車場経営の拡大を招き、全体として良い方向に向かっていることは周知の通りであろう。
 一方、木更津駅前の西口立体駐車場も特別会計は黒字であるが、それによる周辺の活性化に寄与した効果は投資額の割に少ないものであると感じるのは私だけではないだろう。
 
 交通の要所として郊外型バスターミナルを建設するので有れば、国道16号バイパスと横断道路連絡道路の交差する木更津大橋周辺の神納・中郷地区が良いだろうと提案したのは、アクアライン開通前の1992年に木更津青年会議所の交通アクセス問題委員会を通してであるが、実際にそれが実行されたのは若干袖ヶ浦側にずれた現在の位置であった。
 開業から10年も経つと、そこにバス停が有るのが当然のように周辺の整備が進み、現在の段階では金田バス停より多くの便数が泊まり、乗降客も多いようだ。
 過ぎた話をしても仕方ないが、仮に木更津市が橋の木更津側の高柳地先にバス停を造っていたら、周辺の農地は少なくなっていたかも知れないが駐車場と、それに付随するような施設が出来て賑わいが生まれていただろうと考えると、先が不透明な段階での政策判断が如何に重要なのかを考えさせられる。
 
 なお、先に書いた提案では、金田は全バス便が停車し、乗り換えの要所になるべきとしていたが、その状況には至っていない状況であるし、袖ヶ浦と金田の双方に止まるバスはアクアラインを降りてからの走行時間が長くなることで運行会社には喜ばれては居ないようだ。
 金田総合バスターミナルをどうするか、それが今の我々に求められている次の政策課題の一つである。10年後に「読みを誤った」と後悔しないようにするためには、見通す目と信念を貫く気持ちであろう。