政治家の公約について
2007/12/29記
 今年を象徴する漢字が「偽」となって、もう少しで2008年を迎えることになる。耐震偽装や食品偽装の連鎖も酷い問題であるが、私のような立場で考えると政治家の不祥事は身にしみる問題である。
 特に12月になって消えた年金の照合が困難なことが明らかになり、夏の参議院議員選挙で自民党が配布した「最後の一人まで」という事が絶望的になった段階で、福田首相が「公約違反というほど大げさなものかどうか」と発言し、政府の支持率が大きく落ち込んだことは『公約も偽りだった』という印象を国民に広めてしまった。これは自らの身を振り返らねば成らない。
 
 自らが選挙の際に公約として9項目を表明させていただいた。もちろん、首長の立場ではなく議員という制約が有ることや、同じ公約を持つ候補者が複数居て議会の過半数を取る、という政策が出来ない以上、目標値という事になってしまうが、検証も必要だろうと考えて今年の最後に整理してみる。
 
1.議員の政務調査費は財政健全化まで支給を停止する。
 これと費用弁償を削減すべきだと言っているが多数派にはなっていない。しかし、今回の人事院勧告で期末手当を0.05ヶ月上乗せするべきだという執行部打診は議員多数の意見で上程を取り止めてもらったので若干の削減にはなっているか。

2.議員定数は18名を目指した削減を行う。
 誰かを首にして議員を削ると言うことは無いため、議員定数は次回選挙前に再度議論する事である。何人かは同意見であるので話は進む可能性がある。
 
3.公共窓口や図書館は無休で夜9時まで利用可能にする。
 この事については財政難が念頭にあり、検討を進めていない。ただ、先進的な事例で平日は夜10時まで開業している千代田区立図書館などが有るので、指定管理者制度などとともに今後検討を進める必要があるだろう。
  
4.アクアラインバスの深夜早朝便を増発する。
 12月から品川線で深夜バスの運行が始まったが、料金が高いことや時間的にはさらにもう少し最終便を送らせるべきと思うこと、さらには羽田空港整備関係者の移転促進等を考えると真夜中の定期便も今後は検討が必要かと思う。
 
5.子供の医療費は義務教育卒業まで補助を行う。
 隣接市との対応の差が大きすぎるし、子供の多い市は少ない市に比べ明るい未来があるから、財政難の中、歯を食いしばっても子育て補助は行うべきである。でも市だけでの対応は予算的に厳しいので県による一律の補助を求める。
 
6.公立学校の耐震補強を2年以内に終える。
 耐震補強に合わせて大規模な校舎改修を進めているため、年間4校程度の進捗となってる。従って完全完了まで、少なくとも5年以上必要な状況である。教育環境を適正化しながら投資を減らすために統廃合の検討を促しているが、進捗は鈍い。
 
7.不法投棄・蓄積防止条例を制定する。
 この件については9月議会で質問を行い、今後検討を進めることを約束いただいたが、これからはその進捗を見守っていきたい。
 
8.特別会計の健全化を実施する。
 最も会計規模の大きい下水道について12月定例議会で多方面に渡って質疑を行った。難しい問題も多くあるが引き続き勉強を進めて、よりよい方向を目指している所である。それ以外の駐車場や事業会計である上水道なども今後勉強をしていく。
 
9.議会活性化のため条例の議員提案を積極的に行う。
 今回の平成十九年組の七名が議会に加わってから、各委員会の審議時間も長くなったし、定例会議での質問も増えて議会は活性化してきている。しかし市議会を政策立案機関にするために議員提案の条例を制定したいという気持ちはある。新人ではない議員の中にも同じ様な考えを持つ人が居るが、まだ多数となっていない。これも今後の課題である。
 
 まだまだ目標としていたことに充分な取組を出来ていないことも多く、1年の総括として反省することが多い。さらに活動報告を年始早々に送るつもりだったが、どうも1月下旬となりそうで更に反省することしきりである。
 ともあれ平成20年も皆様からの叱咤激励を受けながら成長していきたいと思うところである。