低入札価格調査制度について | ||
2008/02/23記 | ||
22日から始まった3月定例議会において配布された『入札結果(契約実績)の報告について』という書類に目を通したところ、平成19年11月16日から平成20年2月7日までに契約を締結した予定価格1千万円以上の工事12件のうち2件で落札率が80%の工事が合った。現在の本市の制度では、土木工事については予定価格の80%を下回ると失格になるため、実質最低価格での応札となり、籤引きも行われたようだ。これは耐震補強工事の2件と南清小学校校舎増築で85.0%(建築工事での最低価格)で籤引きをしたことと同じであり、この制度さえなければもう少し安い価格で発注できたのに、と残念に思う結果である。 報告書には1千万円以下の工事で75.9%という落札率も乗っていた。落札したのは日本最大の舗装会社であるNIPPOの木更津営業所であり予定価格は7百万円強の工事であったものを5百万円台で応札していた。1千万円以下では低入札価格制度の対称にならないため、失格にならずに契約は成立し、問題なく工事も終わったようである。 1千万円以上であれば手抜き等の問題が心配だから失格とし、それ以下であれば問題ないというのが現在の制度だ。それは理論的に整理する事が困難であるし、安価な工事費でも仕事が出来る事例を示してもらった状況では、低落札で失格とする正当性を証明することが難しい。ちなみに80%で落差された2件のうち1件もNIPPOであった。予定価格は1千万円から32万円だけ超えていただけなので、先の工事と同じ落札率である75.9%なら約40万円が浮いていたと考えると残念である。もちろん工事の内容によって原価計算が変わるので同じ落札率にはならないことは承知の上で「捕らぬ狸の皮算用」ではあるが・・・ 現在、国交省や旧JH系等の発注工事では大手建設会社が熾烈な受注合戦を行っており、80%以下での落札は日常茶飯事となっている。地方には緊急事態対応まで加味した地域の建設産業の育成や建設技術者の確保などの必要性があるとはいえ、世の中の流れに背を向けた制度をいつまでも続けていて良いのかと思い12月議会にて質問を行ったところである。その時の執行部の回答で、県内では既に16市(千葉、市川、船橋、野田、佐倉、習志野、柏、市原、流山、八千代、我孫子、君津、富津、浦安、四街道、袖ヶ浦)が低落札調査制度を導入しているということであった。図示すると次の通りである。 |
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■が低落札調査制度を導入している市で、■が導入していない市、■は町村である。一見して木更津が取り残された感じがするであろう。 平成20年度の目玉工事である市民体育館耐震補強工事は、3億円をはるかに超える予算計上をされている。この落札率1%の差は3百万円を超える額となるので、予定価格であるから失格という事がないように、強く市には呼び掛けて行きたいものだ。 |