報道が伝えるべき事
2008/03/07記
 最近、テレビを見ていて目障りなニュースがある。三浦和義被告のロス疑惑がアメリカで裁判される報道だ。
 
 バラエティーなら細木和子やお笑い芸人が何を言おうと、所詮見ないから構わないのであるが、他に伝えるべき事の多いニュースの時間を使って、20年以上前の個人的な殺人事件の審判を報道する意義が分からない。
 
 あえて言えば、アメリカでは凶悪犯罪に時効が無いこととか、未解決事件の特捜班が有ることとか、アメリカで加害者と被害者が両者とも日本国籍であった場合は裁判が双方で開かれる可能性が有ることなどは勉強になるが、それだけで終わりにしても良いような話である。その事件には社会的な問題提起もないし、経済や国際問題になる要素もない。
 
 難しくない事件を頭を使わずに見たいという需要もあるだろうから芸能番組で取り上げても構わないが、環境税導入に向けた与野党の動きとか、急激に進む円高と国内企業の動向とか、法人税と消費税の地域と国の取り分議論とか、生活に関係することを報道することがニュースだろうと思う。だから、三浦事件を見るたびに不快になり、直ぐにチャンネルを変えてしまうのである。
 
 今回の三浦事件が報道されたのは沖縄の海兵隊が起こした女子中学生暴行疑惑という不祥事の直後であったことを考えると、日本国民の目を米軍から避けるためにアメリカ統治下のサイパンで身柄確保したのではと深読みしてしまう。実際、その方向にニュースが流れても文句を言うどころか興味を示す国民が多いようだから、視線を逸らすたくらみが有れば成功したことになるだろう。
 それとも逆に『一事不再理』が認められないアメリカを見習って、米軍内で裁判された米兵を沖縄の裁判所も審理できるようにするべきだ、という国内世論を生ませようとしているのなら凄い事だ。
 
 同様な話では、スポーツの時間に大リーグで活躍する選手を詳細に紹介してもパリーグの試合は結果テロップだけだったり、卓球の試合で福原愛選手が何回戦で負けた話をしても優勝者の映像が出ないなど、伝える側への不満が多いがそうしないと視聴率が取れないのだろう。
 しかし、NHK以外にも読売(日テレ)、毎日(TBS)、産経(フジ)、朝日(テレ朝)、日経(テレ東)という多くのメディアグループが報道しているのだから、それぞれ別の切り口が有っても良いと思うのに、キャスターやアナウンサーが違うだけで内容に大差が無いのは感心できないい。
 昼も1時までビッシリとニュースをしてくれれば昼食の時間が有意義になるし、夜も遅く帰った12時過ぎにその日の報道を見たい。しかし、午後5時頃と午後10時頃に重複するばかりで芸がないと不満なのである。
 
 さて、連日続いている議会質問である。今回の3月議会は代表4名と個人11名の合計15名であるが、どの質問を聞いても一緒という事はないと思うところだが、市民には私がテレビに対して思っている不満と似た傾向の不満を持たれているかも・・・