予算案の決議ついて
2008/03/15記
 予算委員会の審議の最終日である14日の金曜日の千葉日報では、東金市議会の建設経済常任委員会で下水道料金値上げを否決したニュースと、鎌ヶ谷市で翌年度の当初予算を全会一致で否決したニュースが記載されていた。
 隣の袖ケ浦市でも一度は教育長人事が否決され、副市長人事は未だに決まっていない事などを考えると議会否決は珍しくないのかも知れない世の中になったと思うべきなのだろうか。それにしても全会一致の否決は珍しい。
 
 我が市でも12月議会で人事院勧告を反映した職員給与値上げの案件を継続審議としたが、否決に比べインパクトが薄すぎてこんなニュースにはならなかった。平成19年12月7日の活動記録にも書いたが、議員を含む非常勤の特別職の期末手当も人事院に従って0.05ヶ月増加する案件を提出する向きもあったが、これは否決になるからと事前に停めてしまった事もある。無駄な審議時間を省略できた効果はあるが市民にとって解りやすかったか、議会の姿勢を印象づけられたか、という点で若干悔いが残る。
 
 行政組織の代表である市長も選挙で選出されるという点では民意を反映している事であり、同じように民意を反映している議会との間で決定的に意見が対立した場合、市民は議会の解散も市長のリコールも請求できるが、それは大きな政治対立を地域に残すことになるので行われることは少ない。今回の袖ヶ浦・東金・鎌ヶ谷のどこでもその様な動きは無いようだ。
 
 さて、昨日まで予算委員会を傍聴していて、当然自分と考えの違う案件も沢山あったし、委員会メンバーからも疑問が投げかけられ明快な回答が無い案件も有った。しかし、世の中は思うとおりにはならないという当たり前の立場で、予算は通すが執行に当たっては充分留意して貰いたいという意見を込めて、賛成多数により予算案は通過した(らしい・・・採決までは傍聴していなかったので人から聞いた話である)。
 
 公団の仕事をしていた頃、国会が空転して暫定予算になることがあり、その手戻りの手間とかの記憶があるもので、出来る限り予算の空白時期を生みたくないので、よほど同意できかねる案件がない限り予算案は通過させ、執行の段階で照査すべきだというのが私の気持ちである。
 出来ることならば、庁内決定した予算案を議会にかけるのでなく、可能な限り新規事業採択の可否や、事業の改廃などを検討する段階で議会との協議を行う場があっても良かったように思う。
 
 例えば青年会議所には意思決定機関としての理事会が月に1回開催され、事業を行う場合は2ヶ月前の理事会に協議で上程し、その翌月の理事会に審議で上程する形を取っている。このように、多くの意見を吸い上げる場を設けているので、市でも出来ないはずはない。もちろん、そうなると議会が毎月開催のペースで行われなければならないので、職員も議員も大変になる。
 
 だが、例えば三重県議会では平成20年2月議会から議会の開催を年2回とし、第1回定例会は2月〜6月、第2回は9月〜12月の長期間開催として現行年間100日程度の会期を約240日に増加させることになった。これにより会期期間中は議長判断で随時本会議が開け、審議を随時行えるという利点が出来た。参考にして良いものと思う。
 最近は福島県矢祭町から始まりつつある日当性という諮問委員のような議員が世間的に受けがよい。それに対する、専門家としての議員の在り方が議会回数の増加で示される事になるであろうと思う。
 
 ともあれ予算の議決は、議会中につき、ここで投票行動を書くことは出来ないとしても、重要なのは執行という考えなのである。