矢那の諸問題
2008/04/07記
 昨日の日曜日は活動記録にも書いたように桜を見ながら矢那で問題となっている場所の視察を行ってきた。一つは河野牧場の残土問題であり、もう一つはあけぼの団地の市道編入と舗装問題である。問題に入る前に鎌足小学校の桜で気分を落ち着けたい。
 なお、今回も長い文章です。
 
   
 
 まず河野牧場の残土問題である。これは矢那地区の南側谷地にある河野牧場の草地改良工事と称して残土約55万立方メートルを埋め立てようとするもので、3月議会に篠崎議員の紹介で県に対し許可しないよう意見書を求める請願が出され、全会一致で可決したものである。
 佐藤議員の農政事業としての転用の審査基準という質問に対し
 @造成後に耕作する意思はあるか
 A造成後が従来に比べ良好な農地になるか
 B造成後に収量か収益の増加が見込めるか
 C造成完了後の農作予定は現実的に可能なものか
という点であると回答があった。経済常任委員会の傍聴で配られた資料を見ると必要以上に高く盛土しておりAに反していると思ったものである。具体的には5m造成高さを下げるだけで下図の赤斜線部分が平地として利用可能になるのである。ただし黄緑斜線分は緩い斜面として現況のまま残るが、草地では斜面は問題なかろう。
 
 必要以上に高いと言うことは残土処理を優先するという事と思われる。全会一致で建設させない方向を決めたとは言え現地は見ておかなければと思ったわけである。
 
 矢那地区に入ると随所に右写真のような看板が立っていた。さっそく予定地の谷を見るために下流側となるゴルフ練習場から近づいたが全体が解り難く、再度鎌倉林道からアプローチすることにした。
 林道は不法投棄を防止するためか鎖で車両通行止め処置をしていた。
 港南台や羽鳥野でも人家の張り付いていない場所では置きガードレールにより通行止めをしているので通行止めには違和感はないが、立入禁止措置を掲示しているのが市役所でないことは疑問がある。
 おまけに道路が通行止めになり往来がないためか、道路中心に堂々と車両が放置されていた。既に無法地帯である。
 鎖を乗り越え舗装道路を進むと予定地帯が見えてきた。既に緩やかな斜面で草も綺麗に生えている良好な草地である。今更改良の必要も無さそうだし、上記条件のBにも該当し無そうだ。
  
 さらによく見ると、隣の市営霊園との間に大きな窪地もなく現況地形が異なるようだ。上記の申請図面はその点で不正確で書類としても明らかに不備であり、申請を受け付けない根拠にもなろう。
 それでも認可され、工事が始まるようだと行政に対する信頼は落ちる一方だと現場で思ってきた。
 
 次いであけぼの団地の未舗装道路を見に行った。
 これは木更津商工会議所が造成して販売した団地で、道路幅員が建築基準法等で道路と認められる4mを下回るため市道として認定できず、長年住みながら目の前の道が舗装されないという問題である。現在、商工会議所でも対応を進めていると聞いている。
 確かに古い開発団地であるため道も狭く、住宅地には空き地も目立った。現に生活を営んでいる住民がおり、その環境をよくするためには道路を舗装するべきと言う事は解る。
 しかし、都市を造るという長期的視点からは災害での対応が難しいこのような旧基準の団地から'請西南のような新市街に誘導していくことも考えるべきかも知れない。
 そのような事例として青森市や富山市が提唱して進めているコンパクトシティという概念がある。政策的な都市計画の不在を痛感させられる現場でもある。
 
 休日に自転車で走りながらそんなことを考えてきた。