洞爺湖サミット閉幕に思う
2008/07/10記
 オイルショック以来の経済危機と言われている状況の中で主要先進国サミットが七夕に開催され、3日間の審議を終えて昨日閉幕し、福田首相より議長総括が発表された。
 第二次世界大戦終結から30年が経った1975年に勝者の側であり自由主義陣営にいたアメリカ・イギリス・フランスと敗者の側である日本・西ドイツ・イタリアで始めたG6も、33年も経過する中で冷戦の終結や経済のボーダレス化等で扱うテーマも広範になり、国家の力が問われる会合である。
 
 3Fと言われるFinance:金融、Fuel:燃料、Food:食料について主要先進国(G8)だけでなく、主要経済国会合(MEM)まで会議の対象を広げて議論されたことが今回の特徴の一つだった。
 高級ディナーに舌鼓を打ちながらアフリカの食糧難を話し合っている等という批判もあるだろうが、世界が疑心暗鬼に向かうのではなく、同じ問題について議論をしていくという姿勢を示すことで、世界の多くのマスコミを通じて国際世論が同じ方向を向いていくとしたら、有意義な会議であったと思う。
 
 さて、今回のMEMの構成が若干気になったので調べてみた。
 National Accounts Main Aggregates Databaseという国連発表数値等を元に総務省統計局が整理したデータなどの国家発表数値を引用して、2006年の国内総生産(GDP)順に世界主要国を個人的に整理した物が下表である。 
国(地域) 人口
(千人)
面積
(km2)
国内総生産
(100万米ドル)
備考
アメリカ合衆国 293,623 9,629,091 13,192,290 1 G8
日本 127,787 377,907 4,375,546 2 G8
ドイツ 82,501 357,022 2,888,699 3 G8
中国 1,296,075 9,596,961 2,666,772 4 MEM
イギリス 59,835 242,900 2,372,504 5 G8
フランス 60,381 551,500 2,234,388 6 G8
イタリア 58,175 301,318 1,848,001 7 G8
カナダ 31,974 9,970,610 1,270,625 8 G8
スペイン 42,692 505,992 1,225,007 9
ブラジル 181,586 8,514,877 1,067,803 10 MEM
ロシア 143,821 17,098,242 984,927 11 G8
インド 1,085,600 3,287,263 903,226 12 MEM
韓国 48,082 99,538 872,789 13 MEM
メキシコ 105,350 1,958,201 829,618 14 MEM
オーストラリア 20,111 7,741,220 778,601 15 MEM
オランダ 16,282 41,528 663,929 16
ベルギー 10,421 30,528 392,706 17
トルコ 71,152 783,562 392,336 18
スウェーデン 8,994 449,964 382,825 19
スイス 7,390 41,284 374,583 20
インドネシア 217,077 1,904,569 364,459 21 MEM
台湾 22,615 36,006 364,422 22
サウジアラビア 22,529 2,149,690 363,707 23
ポーランド 38,180 312,685 335,675 24
ノルウェー 4,592 385,155 333,924 25
オーストリア 8,175 83,858 321,730 26
ギリシャ 11,062 131,957 307,856 27
デンマーク 5,401 43,094 277,334 28
南アフリカ 46,587 1,221,037 247,814 29 MEM
イラン 67,477 1,648,195 242,146 30
アイルランド 4,044 70,273 218,090 31
アルゼンチン 38,226 2,780,400 216,324 32
フィンランド 5,228 338,145 209,678 33
タイ 64,177 513,115 206,247 34
ポルトガル 10,502 91,982 191,777 35
香港 6,883 1,099 189,537 36
ベネズエラ 26,127 912,050 180,358 37
マレーシア 25,581 329,847 148,941 38
パキスタン 150,468 796,095 146,888 39
チリ 16,093 756,096 145,841 40
チェコ 10,207 78,866 141,249 41
イスラエル 6,809 22,145 140,294 42
ナイジェリア 88,992 923,768 132,737 43
シンガポール 4,240 683 132,155 44
コロンビア 45,295 1,138,914 130,928 45
ルーマニア 21,684 238,391 121,581 46
フィリピン 82,664 300,000 116,931 47
アルジェリア 32,364 2,381,741 115,945 48
ハンガリー 10,107 93,032 111,990 49
エジプト 71,223 1,001,449 110,075 50
全世界合計 6,389,000 136,127,000 49,427,521
 南アフリカは他国に比べ低い順位である29位では有るが、アフリカ大陸で最も経済の進んだ国と言うことで、いわばアフリカ代表としてMEMに参加している。同様にインドネシアはASEAN代表という扱いかもしれない。であれば中東代表のサウジアラビアが入っても良い気がするがイスラム社会の代表までインドネシアが担っているのであろうか。
 逆に世界第9位の経済大国であるスペインがMEMに選ばれないのは、既に欧州から独・英・仏・伊の四カ国が参加している上にEU委員長も加わっているから涙を飲んでいるのだろう。
 人口1億人を越える国の中でバングラデシュは50位以内に入っていない事は結構ショックである。
 
 若干の違和感があっても、世界の主要国が集まったはずなのにサミットが終わって劇的に食料や燃料が安くなったという事も聞かない。金融は国家を越えたところで暗躍している実証実験をしてしまったようだ。
 もっと積極的に、『化石燃料に頼らない経済成長を目指します』とか『世界の緑化と食糧増産の具体的計画を発動します』とか示して、燃料や食物の先物買いは意味が無くなると釘をさせなかったのだろうか。
 今回の世界的物価高騰は、世界中で小豆相場に張っている山師が大勢居る結果だとしたら、今回の燃料&食料バブルがはじけたとき、サブプライムローンとは比較にならないほど大きな穴が、様々な金融商品に開いてしまうのでないだろうかと心配している。
 小さな地方自治体の議員の立場では、何をしたらよいのだろうかと、考えても悩むばかりである。