ゲリラ豪雨の対策を考える
2008/08/07記
 昨日盆踊りに出席した航空自衛隊木更津補給処は私の事務所から1kmも離れていない近所にある。夕方に会場で自衛官の方と話していると、午後1時の大雨で水たまりが出来たと言うし、会場に来た他の議員は木更津駅東口は午後4時頃に土砂降りだったので開会が心配だったと話すが、私の事務所の屋根には、この日は1滴のお湿りも降らなかった。極めて局地的に降るゲリラ豪雨は、この様に山やビルのない木更津でも起きていると実感する。
 
 今年は7月28日の朝方に金沢市で浅野川が氾濫し、2600戸を越える住宅が床上、床下の浸水被害を受けたと思えば、午後には神戸市灘区の都賀川で学童保育で川遊びをしていた小学生など数名が急激に増水した、いわゆる鉄砲水に流され5名が亡くなるという痛ましい事故が発生した。
 それから何日も経過していない今月5日には豊島区の下水道工事で5名の作業員が死亡又は行方不明となってしまった。大雨注意報発令からわずか5分後の事故と聞くと、注意報を解っていても作業を中断して道具を片づけ、マンホールまで到達して脱出できたか疑問である。それほど急激に環境が変わったのでは対応が困難だ。
 この様にゲリラ豪雨の猛威を見せつけられると、何らかの対策が必要だと誰もが考えるところであろう。知人からもメールが届いたので私なりの持論を書きたい。
 
 まず下水設備の能力であるが、一般的には時間50mm程度の雨量で計算されている。細かく言えば1分間に約0.8mmの雨であり、10分間に40mmの雨が降り、その後雨が止んで、結果として時間40mmの雨の場合は上流域では対応できない設計である。技術的にはもっと厳しい条件に対応することは可能であるが、膨大なコストがかかる話なので、今の所適切な値と考えている。
 現に今回の3件の事例を考えると、金沢市以外は洪水や氾濫の被害でなく排水空間(河川や下水道)での被害であったので、基本的には下水施設は能力を満たしていることになる。
 
 それでも都市化によって降雨が瞬時に下水施設に出ていくことが鉄砲水の原因になっていることは事実である。都市の流出係数を減らす努力として、歩道舗装は基本的に透水性を選ぶことにしているし、大規模開発では調整池の設置が必要だし、可能な限り緑化を求めている。もちろん充分でない事も承知している。
 
 雨水を浸透させ地下水の涵養に回すことも重要だが、降雨は重要な資源と考え、都市に溜めるのも良い方法だと考えている。
 構造上の厳しさはあるが、ビルは積極的に屋上庭園を造るべきだし、植物という形で水を地表に固定化する方法を考えるべきである。その結果、流出を抑制するだけでなく、平時には気化熱を奪うことで都市のヒートアイランド現象を低減させる事にもなるし、植物の呼吸効果で浮遊微粒子が減少して大気の浄化も計られる。
 
 さらには個々の家庭に貯水槽を設置すれば流出の抑制以外に雨水の利水効果が得られ、自動車の洗浄や庭の水巻などに上水道を使わなくてすむ効果も出るし、非常時には防火水にも、煮沸すれば飲料水にも成る。打ち水の効果や水道使用料の低下は地球温暖化防止にも繋がるはずである。
 もちろん蚊の発生防止や苔の清掃などのように、住民の負担が増えないような形態にする事や、常時満水ではなく調整容量までゆっくりと自然に放流する機能など、技術的な対応は事前に検討されるべきである。
 そのようにして天水利用を国が進めるべきであると考えている。
 
 仮に土地面積に対して20mmの流出調整(ピークカット)をすると60坪の敷地では4t規模の貯水槽が必要になる。非常時の常時備蓄を1t程度用意すると5tの規模である。2m立方程度の大きさとなり、決して小さいものではない。上水道の替わりに利用することで毎月の水道代が減ることを考慮しても個人負担も大きくなる。
 公的補助という飴か、建築基準法などの改正という鞭か、どちらがよいかは解らないが、都市内に水を留める施策を検討すべき時ではないかと、最近の報道を見ながら思っている。