茂原と市原を回り考える
2008/09/23記
 議会の休会中を利用して、昨日の小雨の降る中で、茂原から市原を回るドライブをしてきた。調査目的は今回の議会でアクア木更津ビルへの場外馬券売場設置反対決議を求める陳情で、反対理由に挙げられた茂原駅前学習プラザとボートピア市原を見るためである。
 
 茂原市でも木更津市と同じように「そごう」が撤退し、駅前に巨大な箱が取り残される状況になっていた。茂原市はビルの6階に「駅前学習プラザ」という空間を設けて図書館等の運営を行っている。
 木更津でもこの様に利用したらどうかという意見が出ているのは事実であるが、今議会では執行部の答弁で『使用料として年間5800万円が必要で問題となっている』という回答も有り、そんな巨額の運営はどの様な物か気になったのである。
 まず、旧そごうビルに入ると1階には若干の店舗が営業されているがエスカレーターは封鎖されており賑わいは少ない。隣の駅ビルや広場を挟んで向かいにあるジャスコに客を奪われているようだ。エスカレーターが動いていないのでエレベータに向かい館内案内の看板(右)を見ると、地下と2F・3Fが空室となり、4Fの全てと5Fの一部が学習塾の京葉学院に使用されている他は5Fに企業が入って居るのみで、空床率が異常に高い。これでは共益費が高額に登るハズだと理解し茂原市の苦労が忍ばれる。
 6Fに上がると小綺麗な空間で、左手に事務室や学童クラブ、右手に図書室が有り、多目的ホールの空間の奥には会議室・研修室・活動室等があり様々な目的に対応が出来る構成にはなっているが、平日の午後であるためか利用者は20名程度であり、多くは受験を前にした高校生のようであった。市外の人も利用可能と聞いたので窓際で本を読んで過ごす。晴れれば展望は良いだろうと想像される位置ではあるがこの日は雨で太平洋は見えなかった。学童クラブが同居しているので子供用の本が比較的充実しているようだ。保育園等も同居すれば一層効率は良くなりそうだが、先方にも諸般の事情も有るのだろうし、それに関わることは私の範疇ではない。およそ1時間程度滞在していたが、人の出入りは10名程度と思われた。
 
 茂原を後にして市原を目指す。途中で昔担当した都市再生機構が行っている潤井戸地区を見に行くと、一部には道路も出来て家も建っていることに驚く。色々と気になることも目に付いたがそれは今回とは関係ないので割愛する。
 午後4時前に雨の上がったボートピア市原に到着すると駐車場は満車に近い状況である。確かに土日は混雑も予想されそうだ。この日は交通整理員の誘導によりまごつくことも無く到着。会場の周りは清掃が行き届いている。同居するスイミングスクールを目指して子供達が元気良く走っていく。治安が悪いという状況ではない。ただボートピアに出入りするする人に先入観を持ってみると怖そうに見えないこともない。世間的には先入観の抜けない建設業界に身を置く我が身には辛い話でもある(大学を出た頃に同期と飲んでいる話の中で、通り過ぎる母子連れが「○○ちゃん。きちんと言うことを聞いて勉強しないと、こんな仕事をするようになっちゃうよ」と話したのを聞いて泣きたくなったという話を思い出した)。
 中に入ってみると、大勢の人がディスプレイを見ながら考え込んでいる。この日は常滑・桐生・多摩川・住ノ江でボートレースが有り、青森と前橋で競輪が行われているようで館内には200名以上の観客が居るようであった。喫煙室も整備されており、2階の有料指定席などは極めて綺麗な印象を覚えてきた。
 残念ながら投票券の購入方法も解らないし、レースには興味も無いので館内を30分以上もウロウロと散策して帰ってきたので有るが、進出を反対するほどの問題点を見いだす事は無かった。
 
 ボートピアより学習プラザの方が学生や児童には優しい施設であり、一般的には文化的な施設である(競輪をギャンブルに分類し、ケイリンをオリンピック競技スポーツで文化的であると分類することに対する疑義は別にして、社会一般の通例の話である)。
 アクアビルを所有する大家として条件が同じで有れば学習プラザの誘致を目指した方が市民的な同意を得ることは出来るだろう。しかし、一方は行政コストが必要なのに他方は税収が入る事や、集客能力の差などを考えると、それらでは埋められない程のデメリットがない限り反対するべきではないと考えるし、今回の調査では気にしなくて良いのではと思ってきた。
 
 施設の設置の是非以上に気にしなければならないことは、公共施設への落書きや明らかに未成年が居酒屋で宴会をしている事など、社会秩序が教えられていない青少年の事である。いや、青少年だけでなく成人の側にも誠実や信頼を失わす多くの問題もある。施設より広く世の中を憂いるべきだと、繰り返される食品偽装問題のニュースを見ながら考えていた。