都市間競争を考える | ||
2008/10/20記 | ||
18日の土曜日にJEFの試合を見に行き、フクダアリーナからJEF(旧川崎製鉄)を見ると設備の解体工事中であった。蘇我臨海部は工業用地から商業系用地への転換が進んでいる事を視覚的に感じることが出来た。 千葉市では他にも千葉みなと駅西口の再開発も進み、幕張にも色々と動きが見えているようだ。 浦安は東京ディズニーリゾートエリアにシルクドソレイユの世界10番目となる常設施設を開設したことが14日放送の「ガイアの夜明け」で特集されていた。対岸の横浜もMM21の中央を通過する地下鉄に東急を引き込んでから整備が加速していると聞く。川崎駅前には東芝の工場跡地を整備してラゾーナ川崎という綺麗な商業施設が2年前から開業している(左写真:今年の夏に撮影)。小泉構造改革に伴う好景気で東京湾岸の都市の多くは将来に向けた投資を進めて来たことを実感する。 東京の品川や汐留に巨大オフィスビルが林立し、事業床が余るとか、マンション需要が冷え込み都心回帰が止まるとか、色々言われている。 しかし東京湾岸の都市では、着実にインフラ整備を進め、大きな需要が発生したときは速やかに対応できる体勢を整えている。それに可能性を見いだすか、相変わらず無駄な公共事業と見るかは個人の価値観に依るところが多いだろうが、私は都市間競争を考えると意味がある投資だと思う。 しかし、地元を考えると、既に10年を経過したかずさアカデミアパークがあり、これから進められる金田開発があり、多くの区画整理で造成された安価な住宅用地が広がっている。これは東京湾岸の他都市と比較しても魅力的なものなのか、魅力的にしていけるのか考え、投資規模を決める必要がある。 先月の9月議会で金田東に関する下水道整備委託として約百億円の業務委託契約を締結したが、それ以外にも地区外の道路築造や上下水の整備など、まだまだ多くの投資を必要とする。 かずさアカデミアパークでは君津市エリアは完売の様子を見せているが木更津市側には空き地も目立ち、広大な用地を取得した富士通には当面進出の計画はないようだ。そこに今回のアメリカ発金融不安である。進出意欲は低下することだろう。 かつて東海道新幹線事業決定の頃、万里の長城と戦艦大和に並ぶ無用の長物に膨大な予算を回す3バカ査定だと陰口をたたいた官僚やマスコミが居たと聞く。しかし、新幹線は日本の経済成長を支える重要な要素になり、世界に鉄道復権を思い知らせる効果を果たした。その結果、今では新幹線など必要ないという常識人は居ないであろう。 一方、夕張市のように観光都市になることを目指した投資が大きな負債に回り回収できなくなっている事例もある。日本全国に出来たテーマパークにしても極少数の勝ち組以外は散々たる有様である。工業団地にしても進出企業が集まらず、刑務所の誘致に力を入れた事例すら有るほどだ。 木更津は身の丈に有った投資に留めるべきだという意見も説得力を持つが、それでは財政力の有る自治体はさらに強力になり、雇用と納税を手に入れることが出来、一方弱小自治体は常に都市間競争に敗れておこぼれに与るだけになり、さらに都市間格差が開いていくという結果が見えてくる。 変わりつつある他都市を見て、どこまで木更津は頑張るべきなのか考えていた。 |