木更津港の整備を考える
2008/12/13記
 今回の議会の途中で開催されたみなと木更津活性化特別委員会で県の港湾計画が示され、現在パブリックコメントを求めているという報告があった。傍聴していた立場なので委員会が終わった後、市議会議員として意見を出しても構わないかと担当課に訪ねたところ、是非ともという話であったので、港の整備に対する意見を述べることとした。以下、県に送った文章である。
 
 「木更津港港湾計画の改訂」に関する意見について
 
 吾妻地区は既存市街地に隣接する場所で基本方針に示す『人々が憩い、安らげる場を提供する』場所として整備するため、具体的に次の観点から整備を考えるべきである。
 
1.隣接道路と一体的な整備
 特に南側道路は4車線化する必要があるし、歩道部分と港湾側の空間に一体感を持たせる必要がある。そのために障害となる現在の管理事務所は西側に移築する事が望ましい。
 
2.風景を考慮した整備
 既存の中之島大橋の中に富士山が見える場所を視点場として整備するとか、駅前道路が港に出たときに広がりを感じられ、花火大会の時には大勢の人が収納できる広場を角地に設ける事が望ましい。
 
3.後背地と分担して整備
 交流拠点(商業系施設)の駐車場として周辺部や矢那川南側の公設市場を使用できるような後背地整備を合わせて検討する。
 
4.将来需要を考えた整備
 憩いの場とするためにはガット船は南部地区に移動して貰うことが理想であるが、羽田埋立が終わった後も同じ数の船が必要とは思えない。また、プレジャーボートについては増加が見込めるので有れば矢那川河口の既存施設を利用するより広島観音マリーナ等の先進地のように整備するべきである。そのためには埋立工事が完了した新宿水門西側緑地を利用することが最適と思われる。
 
5.優先順序を考えた整備
 市街地に近く、整備効果を実感しやすい吾妻地区の整備を先行して進めることで市民に港湾整備への理解を求めると伴に、築地地区で計画されている大規模商業施設からの回遊効果を誘発して、地域経済へ寄与するような整備行程を検討する。
 
 以上が県に送った文章であるが、解りやすく絵にすると下図の通りである。
 
 木更津港を横浜山下公園のようにまで整備レベルを上げることは難しいが、それでも人々に愛される場所になることは間違えない。中之島大橋を始め、木更津を象徴するような風景を作ることは必ず都市イメージのプラスにつながり、交流人口の増加になる。
 
 鳥居崎公園の再整備や公設卸売市場の運用方法など、市にも課題が残ることになるが、全て国と県の予算で物事を進められる問題ではないし、仮に後背地を無視して進めると港湾部分と周辺の一体化が進まないので良い街にはならない。
 都市づくりの視点のため、良いランドスケープデザイナーの元で整備を進められたら良いのだが、と思いながら計画を考えていた。
 
 事業化に先立ち、構想段階から市民の意見を取り入れる仕組みとしてのPI(パブリック・インボルブメント)を進めて貰い、地域と県が気持ちの上で齟齬を生じないようにして行くべきだと思う。