築地地区の暗雲を考える
2009/01/20記
 木更津市築地地区で新日鐵所有の大規模遊休地を利用した商業施設立地が進められているが、アメリカ発の金融危機が回り回って暗雲を漂わせている。
 まずは、ロイターが配信した2件のニュースを抜粋記載する。
 
 イオンは7年ぶりに当期赤字転落も、大型店出店を抑制
 [1月7日18時42分 東京配信]
 イオンは7日、2009年2月期の連結当期損益を110―150億円の黒字見通しから25億円の赤字―25億円の黒字見通し(前期は439億円の黒字)へと修正した。赤字になれば、02年2月期以来7年ぶりとなる。<中略>豊島正明執行役・グループ財務最高責任者は会見で「08年度下期の厳しい状況が09年度いっぱい続くと想定し、全ての経営計画を見直す」と述べ、大型店の出店抑制などの方針を明らかにした。<中略>GMS(総合スーパー)では<中略>11月までに13店舗の閉鎖を実行、12―2月期で9店舗の閉鎖を決定しているという。<中略>同社は、09年2月期から3年間で8000億円の投資計画を持っていた。ただ、年間6―7店舗計画していた大型店の出店を2010年2月期、2011年2月期はそれぞれ3店舗程度に抑制する。これにより8000億円の投資計画も予定を下回る見通し。
 
 ロジコムが大型商業施設開発から撤退、特別損失2億円
 [1月19日16時37分 東京配信]
 ロジコムは19日、千葉県木更津市におけるアミューズメント施設を中心とした大型商業施設の開発計画から撤退すると発表した。当初の見込みに対して計画が遅れており、景気悪化などの環境変化を受けて業績への貢献が困難と判断した。開発準備に関連した建設仮勘定2億0200万円を、2008年10─12月期に特別損失として計上する。同社は10月末の中間決算発表時に、09年3月期の当期損益予想を5億3700万円の赤字としていた。
 
 イオンについては9月、12月の両議会で市長が直接社長に出店の確認を取ってきたというので出店することは大丈夫だと信じているが、計画が遅れそうな状況になってきた懸念は有る。
 それより撤退を表明したアミューズメント会社のロジコムについては落胆が大きい。建築計画では「公衆浴場、ゲームセンター、カラオケボックス、ボーリング場、飲食店、ぱちんこ屋」が入り5万uの敷地と鉄骨2階建てで延べ床1万7千uの予定であった。イオンとの役割分担を行いながら賑わいを作るはずの片方が失われることは築地の計画には厳しいものがある。
 
 今心配なのは、不安心理のドミノ倒し現象である。ロジコムも止めたからと、木更津への進出や事業展開に対し精神のブレーキを踏まれてしまわないようにして貰いのである。
 そのために、アクセルとなる金田東地区への企業進出情報を早めに開示して、木更津は元気ですよ、と世間にアピールすることが重要なのではないかと思う。
 
 聞いてみると、未だに契約段階まで至っていないので公表は出来ないという事であったが、戦略的には確実だと見込めたら明らかにして、周辺の評価額を高めることが事業の採算性の向上になるのではと思うのである。
 また、金田に進出を検討していた企業の中からでも、築地でロジコムの代わりに手を挙げるものが出てきてくれないかと切に願うところである。木更津はまだまだ可能性が高い街なのだから。
 
 
 間もなく、アメリカではオバマ大統領の就任演説が始まる。
 
 不安心理のドミノではなく、Yes we can の希望に満ちた言葉が世界に広がることを願う。