ブログの炎上事件に思う
2009/02/08記
 お笑いタレントを1988年に起きた足立区の女子高生コンクリート詰め殺人事件の犯人と思いこんで、その本人が開設したブログに名誉毀損や脅迫行為の書込をした日本全国に点在する17〜45歳の男女計18人が書類送検されたという報道があった。
 私もこのようにホームページを本名で、住所も明らかにして運営する立場から思うことを書きたい。
 
 2002年に四市合併運動の事務局として政策・広報担当を行ったとき、具体的な活動の告知を比較的多くの市民が見ている某商店街の掲示板に書込を行った。それに対して合併運動を妨害する団体ではと、勝手な憶測で誹謗するような書込が行われ、電子媒体での討論(?)を行ったことがある。幸い、先方も論理破綻するような非常識な人では無かったので、目を覆うような書込が成されなかったから良かったものの、一時は他者の運営する掲示板の多くを使ってしまい迷惑をかけた記憶がある。
 
 2年前に政治家としてのホームページを計画したときには、多くの市民の声を受けたいものの無責任な匿名の攻撃や商業的書込等を避けるために掲示板の機能や、コメントを寄せられるようなブログ機能は設けないことにした(ブログを設けなかったもう一つの理由に、毎日の書込が出来ないだろうという事もある)。
 意見はメールで受けることにして、それに対して『ご意見とご回答』という章を設けて対応する方法を考えたが、やはり硬いことと先方が送ってくれたメールを私が勝手に短縮編集するために最近寄せられる意見が少なくなっている。
 意見が少ないのは残念であるが、そのメールアドレスには出会い系等のどうでも良いメールが連日のように届く事を考えると掲示板にしなくて良かったと思うところである。
 
 さて、今回の炎上事件で書類送検された18人の実名が流されたニュースを聞くことは無かった。匿名で誹謗中傷する犯罪性は、公務員の横領や飲酒運転より重いとは思いにくいが、痴漢行為でも実名報道されることが多い現状を考えると、実名報道をしても良いのではないかと思われる。
 匿名を前提としたネットの社会でも犯罪的な書込を行うと公衆の面前にさらされるかも知れない、という事になれば抑止効果は大きいことだろう。ただ、どこから犯罪になるかという一線が難しく、政治家に対する政策の無力さを罵倒するような書込でも検挙するようになれば言論弾圧に成り萎縮した世界になるだろう。
 
 また公式の場では表明できない差別的な表現を、何処まで犯罪とするか、民族に対する偏見や職種に対する差別は規制するべきなのか、また厨房(中学生程度の知識しか無いとバカにする)ような隠語的表現は何処まで許されるのか等ルール作りが難しい問題であることは解る。
 しかし、ネット社会の発達に伴い何処まで匿名を許すべきかという議論が成されるべきでは無いだろうかと、実名で勝負する立場の私は考えるのである。
 そんな訳で、私にメールを送る場合はお名前を添えていただけるようにお願いいたします。