矢那川で思う
2009/05/06記
 昨日は矢那川鯉のぼり祭りが行われていた。春の桜祭、秋の芋煮会などが有る上に、この鯉のぼり祭なので地域のボラティア皆様の活動には頭が下がる思いである。
 過去に桜祭に協力した事や毎年秋に彼岸花活動を展開している関係で知っている顔も多く、ある人から11月の芋煮会の前に9月に彼岸花祭も考えられますねと言う声も聞かれる。さらに増やす気持ちがあることに、ますます頭が下がる。
 
 
 さて、これらの祭が開かれる矢那川公園の周辺は上の写真のように傾斜護岸で親水性も高いのであるが、これより下流は下の写真のように壁のような堤防で用意に水面に辿り着けない。
 
 
 洪水や高潮からの被害を防止することが優先されることは当然であるが、川底を浚渫して断面を増やすとか堤防の形態を見直すとかの手法で親水護岸を作ることは可能であるし、現に日本中でそのような取組が行われている。
 
 矢那川の場合は矢那川公園より下流に證誠寺が有り、さらに富士屋ホテル・ホテル銀河・ホテル割烹いづみ・東京ベイプラザホテルなどの宿泊施設も集中している。河口には木更津甚句の碑が建った鳥居崎公園があり、證誠寺の近くには山崎公園も有る。
 川沿いから少し北側に入れば木更津駅や八剣八幡様も有り、これらを連絡し鉄道を潜るように交差し矢那川公園まで結ぶルートを設けることは駅の東西を連結するだけでなく木更津という都市の顔になる事業である。特に昔の木更津船が発着していた「矢崎・森崎」は河口に位置していたので、その風情を復活することは港木更津の重要な要素になる。
 
 このような観点と、上流での上総研究都市開発に伴う治水体系の見直しも兼ねて矢那川流域の総合整備計画が20年ぐらい前に立てられたように覚えている。
 矢那川ダムは計画通りに造られたが中流域において木更津末吉線バイパス整備に合わせた改修や、上記に述べたような流末の親水護岸としての整備などは殆ど行われないままに成っている。
 
 河川事業や港湾事業は多額の事業費が必要になるので、バブル崩壊後の景気の低迷や、高齢化の進捗に伴う民生費の増加などを考えると未着工もやむ得ないのかも知れない。さらに河川間で比較すると、河川計画すら定まらず堤防の整備も行われていない小櫃川より優先順序を上げてまで矢那川の整備を進めて貰いたいとは言えない。
 それでも矢那川公園に行く度に思うことは、ここから鳥居崎公園までのルートを何時までも未整備でよいのか、という事である。
 事業を行うという観点では、現在土地代は安くなっているから補償費は少なく済むし、景気刺激策としての公共事業という考えだって出来そうだ。実際に自治体に負担金を請求されると悩みそうだが、早く景気が良くなり、築地やかずさや金田に進出した企業からの税収が潤沢に成って、充分な福祉を行いながらも事業化が出来る時代が来ないかと、都合の良い将来を思い描いていた。