アクア木更津を考える@
2009/05/21記
 昭和58年から昭和63年に掛けて216億円の事業費を投じて行われた木更津駅西口地区第一種市街地再開発事業により完成されたビルにSOGOが入店し、木更津市が南房総の商業核として胸を張っていた時代が20年前には確かに有った。
 しかし、平成12年7月に木更津そごうが自己破産し、さらに1年半後にはビルを管理運営する会社である木更津都市開発も倒産してしまい、救済企業を探すものの、複雑な権利関係が嫌われ話が進まなかった混迷の時もあった。多くの報道が木更津の衰退の象徴として映像に載せたので、悪い意味で有名になってしまった。
 
 ビルの再生のため、平成15年9月議会で権利を市に集約整理して市の財産にする事を議決し6億円で購入、アクア木更津ビルとして新たな歴史を刻み始めた。
 市は商工会議所が主体となって設立された木更津観光物産に管理運営を委託し、木更津観光物産は日本総合企画鰍ノ再委託を行って運営が行われた。激安スーパーであるマルエイを呼び込むなど駅前に活力を取り戻そうとしていた様子が平成16年5月4日放送の『ガイアの夜明け』で放送され、商業ビルの再生モデルとして木更津に注目が集まったこともあった。
 それからさらに5年の月日が経過し、マルエイも4月22日に閉店してしまい、新たな食料品店の進出が期待されている中で、5月18日に実際の運営会社であった日本総合企画が民事再生法の摘要を申請することになってしまった。
 
 日本総合企画(株)(資本金9500万円、小平市美園町2-2-18、代表銭場茂氏、従業員19名)は、5月18日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。
 当社は、1982年(昭和57年)10月に設立。自社所有の商業ビルの賃貸管理、サブリース事業を中心に、ビルマンションの企画、コンサルタント業務を展開。過去、千葉県木更津市において、そごうが入居していた木更津駅西口再開発ビル「アクア木更津」のサブリースを手がけ、2004年4月にリニューアルオープンをさせるなど話題を集めていた。収益性の高い鉄道駅周辺ビルを中心に自社所有の賃貸ビル29ヵ所、サブリース受託ビル63ヵ所、企画管理ビル18ヵ所の規模で営業展開し、2007年3月期には年収入高約61億8100万円を計上していた。
 しかし、厳しい営業環境が続くなか、2009年3月期には年収入高約54億9600万円に減少、約5億8600万円の最終赤字に転落していた。営業収支は黒字を維持していたものの、財務面では資産価格(不動産、付属設備等の固定資産が大半)の下落から、時価評価を行った場合に、債務超過に陥る状態になっていたうえ、金融債務も重荷となり、今後の資金繰り悪化が避けられなくなったことから今回の措置となった。負債は約150億円。
               [帝国データバンク発信記事より抜粋]
 
 ビルの地下に出店が計画されていた地方競馬の場外馬券場についても、この情勢で困難な状況になったとも報道が行われる中、明日の22日には議会の経済常任委員会協議会で説明が行われる事になったので、傍聴に行って来る。
 
 アクアビルについては木更津市が大家として固定資産税相当額に匹敵する年間約8千万円程度の使用料を貰っているが、その一方で施設修繕費積立金年約3百万円の支出や、市の機関であるチャレンジセンター・観光案内所・駅前ホール・駅前連絡所・テレワークセンター等の共益費として4千万円強を支出しているので大きな利益を上げているわけではない(鶴岡大治議員のHPに詳細が示されている)。平成21年度予算に限って言えば中央監視システムの導入に約7千万円を使用するので単年度では赤字である。
 
 運営会社が民事再生となった場合、市に支払われるべき使用料はどうなるのか、入居しているテナントの共益費負担等はどうなるか等、様々な不安が渦巻く中で、取りあえずビルの営業は外見上は変化無く続けられているようだ。
 19日の夕方に訪れてみたが、マルエイの閉店案内は掲示してあるものの日本総合開発に関する掲示物などは無かった。ビルの外に5周年アクアフェスタの垂れ幕が下がっているところが何とも言えない。
 今後、6月議会で議論される大きな問題となることは予想されるが、先ずは明日の委員会で情報を入手することが重要だと思う所である。
 
 従って、アクア木更津についての考えることの詳細は、公表できることについて情報を制限する可能性が高いが、次回以降で再度記載したいと思う。