静かに町村が消えていく | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2009/06/03記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
6月1日に群馬県で高崎市が吉井町を編入したことを新聞の片隅で読んだ。合併特例法の優遇措置が切れる平成17年度末で市町村合併は概ね終わったものと理解していたのに意外な感じを受けた。確かに千葉県内では平成18年3月20日の南房総市の新設、27日の香取市・山武市・横芝光町の新設及び成田市への2町編入以降の合併は生じていない。 全国を調べてみると静かに合併が進んでいる事に気がついた。総務省のHPによると3年2ヶ月の間では下記の32件である。 |
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この32件で55の市町村が消滅し、新たに9の自治体が誕生したことになる。もっとも9件の新設自治体の中には新潟県村上市、山口県美祢市、宮崎県日南市のように全く名称が変わらない所と福島県本宮市のように町が市制施行を行ったように名前が変わらないものもあるので実質的には京都府木津川市、福岡県みやま市、鹿児島県屋久島町・南九州市・伊佐市の合計5自治体が新しい名前でスタートをした感じである。 いずれにしろ、55−9=46の自治体が消滅したことになる。この結果、全国の市町村数は1,775市町村(783市801町191村)に成っているという事である。平成の大合併で市の数が村の数を上回ったと聞いたのが数年前であるが、既に町と市の個数差も僅か18にまで縮まっている事に衝撃を覚える。数年後には町であることが市であることより希少価値が高くなり、村は絶滅危惧種になりそうである。 また、23件の編入合併では29の町村が消滅している。伊那谷の山奥にある清内路村のように編入されても「村民」のままと言うケースもあるが、それ以外は市による隣接町村の編入である。特に高崎市は今回の吉井町の前に榛名町も編入しており、気がついたら前橋市を抜いて群馬県最大の人口を持つ市になっていた。 合併特例法による優遇措置の期限内に出来なかった理由は色々あるのだろうが、それ以降に編入を選んだという事は景気後退による税収の低下とか地方交付税の削減により町村の経営が行き詰まったのでは無いかと思われ、苦渋の決断をした町村長や議会の辛さが身に浸みてくる。 屋久島の1島1自治体のように喜ばしい合併もあるが、特効基地があったことで有名な鹿児島県知覧町、お茶の静岡県川根町や金山の鹿児島県菱刈町などのように個人的には消滅することが残念な自治体も幾つかある。それぞれの地域が選んだことだから異論を挟むことではないが「みやま市」とか「南九州市」という名称には首を傾げる所である。 市町村合併が珍しくなくなってから合併のニュースが流れることが少なくなり、代わって最近では平成の大合併による負の面を取り上げられることも多く目に付くようになった。そのような中でも地域の新しい形を考えて市町村合併が進んでいる事に一面では勇気づけられた。この地域での四市合併運動は大きな動きも見せていないが、合併を念頭に置いた勉強も進めねばならないな、と思いを新たにした次第である。 |