老人クラブを考える
2009/07/02記
 先月末に知人から届いた手紙には木更津で老人クラブの会員数が減っており、行政として何とか考えていただきたい旨の言葉が書いてあった。気になって県内の状況を調べてみると、高齢者に占める老人クラブ会員の比率(下表右端の加入率)は富津市と並んで県内最低レベルにあることが解った。
 
区分 総人口 高齢者人口 高齢化率 クラブ数 会員総数 加入率
千葉市 938,330 171,608 18.3% 334 16,800 9.8%
銚子市 74,734 20,145 27.0% 58 2,398 11.9%
市川市 470,823 72,344 15.4% 149 7,027 9.7%
船橋市 594,604 106,961 18.0% 284 16,533 15.5%
館山市 50,891 14,853 29.2% 65 2,579 17.4%
木更津市 127,263 26,174 20.6% 51 1,525 5.8%
松戸市 484,618 87,391 18.0% 214 10,291 11.8%
野田市 156,083 30,148 19.3% 119 4,595 15.2%
茂原市 95,501 20,599 21.6% 69 2,602 12.6%
成田市 126,859 20,344 16.0% 116 5,318 26.1%
佐倉市 176,925 34,073 19.3% 67 2,992 8.8%
東金市 61,343 11,715 19.1% 63 2,685 22.9%
旭市 70,609 16,012 22.7% 76 3,064 19.1%
習志野市 160,339 28,440 17.7% 56 2,720 9.6%
柏市 391,544 69,611 17.8% 126 7,292 10.5%
勝浦市 21,705 6,697 30.9% 31 1,036 15.5%
市原市 285,072 53,084 18.6% 154 9,267 17.5%
流山市 157,731 29,750 18.9% 76 3,745 12.6%
八千代市 188,624 33,924 18.0% 66 3,373 9.9%
我孫子市 135,583 27,580 20.3% 52 2,667 9.7%
鴨川市 36,954 11,154 30.2% 40 1,500 13.4%
鎌ヶ谷市 106,535 20,277 19.0% 30 1,491 7.4%
君津市 90,870 19,429 21.4% 77 2,726 14.0%
富津市 50,343 13,540 26.9% 23 788 5.8%
浦安市 160,031 16,871 10.5% 41 2,473 14.7%
四街道市 87,548 17,501 20.0% 56 2,797 16.0%
袖ヶ浦市 60,923 10,913 17.9% 26 1,135 10.4%
八街市 77,180 13,056 16.9% 48 1,860 14.2%
印西市 62,933 8,794 14.0% 37 1,895 21.5%
白井市 58,659 9,043 15.4% 21 1,366 15.1%
富里市 51,591 7,814 15.1% 29 1,246 15.9%
南房総市 45,002 15,484 34.4% 70 2,267 14.6%
匝瑳市 41,620 10,642 25.6% 124 6,690 62.9%
香取市 87,915 22,460 25.5% 94 5,552 24.7%
山武市 59,809 13,833 23.1% 117 5,929 42.9%
いすみ市 43,314 12,960 29.9% 97 3,639 28.1%
県計 6,199,089 1,180,939 19.1% 3,613 169,614 14.4%
※人口は平成20年4月1日現在の住民基本台帳人口及び外国人登録人口の合算値
※千葉市の老人クラブ数及び会員数は平成20年3月31日現在の値
※千葉市以外の老人クラブ数及び会員数は平成21年6月10日の県調査値

 
 知人の手紙には登下校の交通整理や防犯パトロール等の活動のようにボランティアで行っている活動に期待を寄せ、行政や学校、警察が色々依頼してくることは楽しみどころか負担になっている現状があり、会費や資源回収による運営費だけでは充分に楽しい活動が出来ない状況で、段々老人クラブの会員が減っている事を伝えていた。
 
 これから高齢化社会が進行する中で、農業を中心とした地域社会が失われている状況や、転入による地縁の少ない高齢者が増える現状を考えると、孤独で引きこもりぎみの高齢者を作らないように民間の活動を奨励することが、行政としても高齢者医療費の抑制にも繋がるし、孤独死のような不幸を防ぐことにも繋がると考えると老人クラブのような活動は必要であろう。
 
 匝瑳市の約62.9%は高齢者の過半数が老人クラブで活動していることになる。我が市の10倍以上は何が原因だろうかと、高齢化率と加入率の相関を調べてみても因果関係は無さそうである。
 
 高齢化率僅か10.5%で東京に隣接する浦安市でも老人クラブの加入率は我が市の3倍近い。活動を維持するために自治体がどのような知恵を出しているのか、逆に本市の問題は何処にあるのかも探らなければならないだろう。
 老人クラブ以外にも公民館のサークル活動が高齢者の友人作りに役立っている状況も有るので、福祉や教育の垣根を越えて、どのような形態が望ましいのかも検討をしなければならないだろう。
 
 余り深く老人クラブの問題点を考えたことは無かったが、一つの手紙から目が開かされたことになる。アンテナを広げて情報を得ていく事の重要さも気付かされた。