先を読む力を思う
2009/07/06記
 7月の第2週となった。残すところ4週間も経たずに8月となりアクアラインが値下げをし、小型車で800円、大型車でも1,320円になる日々を迎える。平成22年度末まで20ヶ月はこの料金体制が終日続くことになる。
 
 6月定例議会の個人質問では、陰の部分として不法投棄が懸念されることや、残土処分場及び産業廃棄物最終処分場の需要が増えることを質問した。
 同じ6月の議会でも県議会では渡辺県議が交通渋滞対策の遅れとして、館山道富浦料金所でのETCレーンの少なさなどを指摘し、対応方針の質問を行っていた。
 どちらも料金値下げが急すぎて対応が間に合わないことであるが、後追いでも早めの対応を行わなければならないことである。
 
 このように現実の変化に対応しきれない事象は数多くある。そのため先読みをする力が政治には求められていると考えているのであるが、行政の現場を相手に話をすると、現実に動いている事業を遂行することが優先で、具体化する計画がないことは軽く扱うことになってしまう。
 もちろん、先読みをしたつもりが方向を誤ることも多い。例えば木更津ではアクアラインが架かったら首都圏近郊として土地の需要が増えると考え、かずさアカデミアパークの造成等の土地区画整理事業が進み、市街では事業用地取得の代替え用地の需要が増える事を予想して土地開発公社による先行取得が行われてきた。
 結果は説明の必要がない通り、土地区画整理事業を行った会社は多くの負債を処理し、市では土地開発公社の負債処理に毎年追われている状況である。
 
 先を読む力を付けるためには、広く世界を見て考え、多くの書物を通じて知識を身につけることが重要であろう。また最近ではインターネットを駆使して情報を調べることもできる。要はその様にして入手した知識を咀嚼して自分の力にする事が出来るかだ。
 明治維新後の日本では1年10ヶ月に渡り政府の重要な面々を岩倉使節団として海外に派遣し、多くの知識を得てくると同時に多くの留学生を残して日本の近代化の基礎を作ったことは評価されて良いと思う。現に岩倉具視を始め、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文等が長期間日本を離れていたことを考えると、思い切ったことをしたものだと感心する。
 
 それほどの偉業を行うことは出来ないが、せめて先進地の状況を把握し、可能であれば我が力にするため、議員も行政視察に出掛けるのである。今月末にはフォーラム未来の会派で関東の4自治体を回ってくる予定である。無駄な旅だと言われないよう、その経験を先を読む力に変えていきたいと思っている。ただ、今月末なのでアクアラインは安くなる直前というのが残念である。