審議会などを考える
2009/07/09記
 一昨日の七夕の日は、体力強化の合同練習の日と予定していたが事前の天気予報があまり良くなく中止とした。結果はそれなりに良い日だったが急遽実行も出来ず、仕事もすっぽりと空けていたので体力より知力と読書をすることにした。
 時間があったので2003年11月22日に講演会で訪れた猪瀬直樹氏より購入したが、ハードカバーで468頁にものぼる本なので6年間も未読破であった「道路の権力」を読み直すことにした。ちなみに著者のサインがされてある本である。
 6年前には猪瀬氏が東京都の副知事になることや私が市議会議員になることなど想像もしていなかったと思いながら道路公団分割民営化に向けた流れを読んでいたら日付が8日になっていた。
 
 道路公団は大学を出てからサラリーマンとして勤務していた組織なので、民営化委員会の議論もリアルタイムで注目していた事もあり、読書をしながら新たな情報の発見は無かった。
 しかし、今にして思うと政府の多くの反対を乗り越えながら、冷静な議論と独自に分析された情報を元に議論を進めてきた民営化委員会の労力には心から頭が下がる思いである。官僚の出す推計値やデータの根拠を追求し、前提条件の誤りを認めさせていくやりとりなどは驚嘆べきものである。そのような日々がなければアクアラインがこの様に大幅な値下げを迎える事も難しかっただろうと推察されるぐらいである。
 
 私も過去に木更津市情報公開・個人情報保護審議会の委員を務めたり、消防団の分団長として分団長会議などのように市役所が主催する会議に出席していた事がある。会の目的が違うとは言え、行政が提案した資料を猪瀬氏のように深く読み込んだことは無かった。それでも私は提案や問題点の指摘など、多くの発言をしてきた方だと思うが、諸団体代表のような委員は役所の仕事を増やさないように気を使っているのか、自分の団体に関係ない話をすることは越権行為と考えているのかは解らないが、比較的発言が少なかったように記憶している。
 
 小泉改革の功罪が色々言われているが、道路公団民営化委員会に事務局と意見の異なるメンバーを多く集め、深い議論を行わせたことの意味は極めて大きい。それまでの多くの機関が官僚の企画に対するお墨付きを与えるだけに成っていたことに比べると、抵抗を排してあの委員を決めた手腕は見事であったし、連日のように長時間行われた議論も凄かった。
 市でも多くの審議会などが行われているが、人選にあたって無難な人を探している傾向は無いだろうかと疑問を持つのである。各団体の長は、その世界を代表して意見が言えるというメリットは確かに大きいが、逆に大胆な提案が行いにくいと言うデメリットも有るだろう。対策として公募委員も入れているし、そもそも市内には評論家や作家のような視点を持つ人材が少ないという事も理解はしているが、物足りなさを覚えるのである。
 
 本年度は「木更津市立小中学校適正規模等審議会」や「次世代育成支援対策審議会」が設置され、小中学校の再編や市立保育園の在り方などが議論されている。そこには充分な資料を提示し、資料を理解して討論に至るまでの充分な審議時間を確保される事を期待しているし、素晴らしい意見が出されることを希望しているのである。