磐田市の取組を考える
2009/10/14記
 政権交代の結果、羽田をハブ空港にするとか、来年度から米農家の戸別補償を行うとか、金融モラトリアムを行うとか、ともかく話題には事欠かない日々が続いているが、子育て応援特別手当の支給を停めるという話が出たのには驚いた。
 木更津市としても9月臨時議会で1億3千万円強を計上したばかりで、議会広報紙に載せる編集を行っている所なのに・・・困った話であるが、これが政権交代という事なのだろう。国政の話は何がどうなるのか見えてこないことが多いので、当面はこの欄では棚上げする事にする。
 また、広島と長崎による2020年オリンピックもワクワクする話だが、それもさておき、昨日見てきた静岡県磐田市を記載する
 
 東名高速道路の遠州豊中PAに隣接し「ららぽーと磐田」が建設され、高速道路とはスマートインターで直結される構造になることを知ったのは4月14日に放送された「ガイアの夜明け」であった。
 そこでは大型ショッピングセンターと地域が一体になって発展することを目指し、ららぽーとに来たお客さんを街中に誘導するための手段として、磐田でヤマハ発動機が製作している電動アシスト自転車を使用するという手法を使うと放送されていた。
 ららぽーと磐田の開業は6月末と聞いていたので、夏が過ぎたら見に行こうと思っている内に10月と成ってしまったのである。
 
 元道路公団職員としては計算が足りず、東名集中工事の渋滞に捕まりながら到着した時間は予測より2時間近く遅れた午後4時過ぎであった。テナントには目もくれず自転車貸出場所を目指すと、そこには磐田市コミュニケーションセンターが有った。
 観光や物産の案内所と併設して住民票や印鑑登録証明書などが交付できる行政サービスコーナーも設置されていた。そこの受付をしているお嬢さんに自転車を借りてみたいという申し出を行うと5時半までに返却しなければならず、残り1時間しかない中で4時間200円が勿体ないのではと言われる。と言われても出直すのも大変なので少しの時間でもと交渉すると、外の貸出所に交渉してくれて、若干の返却遅れも理解してもらえることになる。
 取りあえず自分で使ってみないと感覚的に理解できないので、市街地に向かい1時間弱のサイクリングに出掛ける。
 夕焼けも近づいている中で、標高50m強の高台にあるららぽーとから3km程度離れた市街地北側に有る歴史地区まで走り下る。
 観光ガイドブックの地図が自転車で走るのには見にくいことや、そもそも市街地で夕食を食べて帰って来れる時間まで営業するべきだとか、細かい点の話は別にすると、市街地にある旧赤松家や旧見付学校のような歴史を感じさせる場所を見て回ると、磐田市も良い街だと思えてくる。
 
 薄暗くなった頃に登り坂で帰るのは普通は辛い話であるが、電動アシストが有るので苦に成らず、17:20には返却を行うことが出来た。貸出所で聞いてみると、まだ周知されていない為か、土日でも10台程度、平日はほんの数台が貸し出されているだけと言うことである。自転車も39台用意され、4時間200円というのも破格の安さであるにも係わらず、なかなか需要には結びついていないようだ。
 ちなみに行政サービスコーナーは土日祝祭日は休みで、平日も午前10時から午後5時までの開設であるが、観光案内的な空間は年中無休で午前10時から午後9時まで明けているそうである。
 自転車貸出所の人達は委託で、コミュニケーションセンターのお嬢さんはアルバイトであると聞いた。双方とも丁寧な対応で非常に好感が持てた。近所でないから、もう一度が何時になるか解らないが、再訪してみたいと思う街だ。それが磐田の街の魅力と、案内所のお嬢さんの魅力と、どちらに引かれているのかは微妙なところであるが・・・。
 
 2011年には開業すると言われている築地のイオン木更津でも旧市街地への誘導に自転車を利用することは考えても良いように思う。磐田と違い坂道がないから走行は楽であるが、道路案内標識の不備や、歩道の整備のように走行環境の改善が必要と思われる事はある。
 それでもロケ地巡りへの誘導や、旧市街での老舗店で食事を取ってこれる仕掛けなどを考えると、有効なアイディアであると思えてくる。磐田市の現状では1台の自転車を貸すために人件費などで多分数千円が必要となり、受益者負担の原則には反しているとも思えるが、話題造りなどを考えると良い投資ではないかとも思えてくる。
 磐田の風に吹かれて走りながら、木更津市での取組方法を考えていた。