金田総合BTを検討する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2009/12/05記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
12月議会の一般質問が終わった。大村、斉藤両議員から金田総合BT(バスターミナル)について質問が行われ、その中で10月26日に千葉県と木更津市の間で調整会議が設けられたが、事業主体などが明確に成らず、もう数回の会議が必要なことが明らかになった。 金田総合BTについては、現在の金田BTを改修して設置する方向で進めることが大勢になっているが、明確に位置や方針が決まっている訳ではない。過去に県が実施した検討書では国道409の沿線と現在位置の2カ所を比較しただけに過ぎないものであったが、個人的な提案も有るのでここで整理して検討してみたい。 具体的な案は下図に示す5ケースである。 |
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以下、それぞれの案について問題点を検討する。 ■@現在の改修案 現在の施設を使用しながら改修をしていくので連続的な運用が出来るメリットがある一方で、工事中に駐車場不足の問題や安全管理に困難をきたすという問題が予想される。 バス会社にとっては現在のBTと同様に一般道の走行距離が長くなり、時間ロスが生じるというデメリットが残る。 用地は区画整理の中で保留地や県先行取得地を集約して換地する事で手配できるので取得は困難でないが、その一方で区画整理事業の事業費を捻出するための貴重な土地を公共用地にしてしまうことが事業の採算性に影響を生じる可能性がある。 設計に当たっては、バスターミナルを建築物の1階に納め、2階部分にわくわく市場の商業施設や農作物の直売所を入れることで道の駅的効果も期待できる。 ■A現在の向かい側に新設案 現在の向かい側に設置するので工事は既存施設の営業に影響を及ぼさず、完成段階で運用を切り替えるだけである。 バス会社にとっては現状と同じように一般道の走行距離が長くなり、時間ロスが生じる状態が持続される。 用地は区画整理の外側になるので新規買収となり、取得の難航や農地転用の問題などが予想されるが、区画整理事業としては売却可能な保留地が増えることで事業の採算性には寄与する計画である。 施設の設計は@と同様にして道の駅的効果を期待したい。 ■B高架橋の両側に新設案 現在は公園として使用している高架橋両側の用地に直線上にバス停を設置する案。旧金田バス停では国道の歩道部分に停留所を置いていたが、歩行者の通行に支障になることや待合いブースを設けられないことからバス専門通路を導入して施設を設ける事とする。 バス会社にとっては、時間ロスが少なくメリットが高い。 用地は公共用地なので取得の必要がないが、将来409号線の拡幅を行う場合も設計に考慮する必要がある。区画整理事業としては売却可能な保留地が増えることで事業の採算性に寄与する計画であり、UR施工の東側にも好影響を及ぼすと思われる。既設の駐車場は住宅地に変更し、高架下を駐車場として整備する費用が必要になる。 待合いブースは上下線別々に必要となるのでコストもかかるが、建築物は細長い構造なので道の駅的な施設を導入することは困難であり、経済的効果を検討する場合は別途用意する事になる。 ■C高速道路本線上に設置案 羽鳥野バス停と同じように本線上に設置する案である。料金所を利用することで用地を確保できるが、複数のレーンを設ける場合は加速や減速の車線長が充分に確保できない事や、木更津金田から進入するバスの停車位置が連続して設けられない事、利用者の駐車場とバス停の高低差が大きく不便な事等がデメリットである。 運行するバス会社にとっては本線から降りないので最もメリットの大きい計画であるが、バスターミナルを複合的に利用することは非常に困難なため、地域にはメリットが少ない計画である。 ■D新規に埋立で用地を確保する案 休日における海ほたるの渋滞緩和のため、料金所の近くにパーキングエリア的施設を設置する目的で新規に埋立を行い、その施設にBTを併設する案である。新たな観光地を創出するインパクトは大きく、そこから見るアクアラインの橋脚が並ぶ風景は木更津を象徴するシンボルになると思われる。 しかし、用地確保のための埋立事業の認可や漁業補償に多くの時間やコストを要することや地上部でも複数の家屋移転が生じることになり、技術的にも木更津金田出口の車線を立体交差処理することが難しいため、本線上のパーキングエリアではなく、木更津金田ICで降りて利用する形態となると予想される。そのため、バス会社の時間ロスはかなり大きくなる。さらに利用者駐車場を近接して確保することや、送迎車両のアプローチにも難が有る計画になりそうだ。 以上の案を簡単に表としてまとめると下記のようになる。個人的には現在暗黙の内に進めている@案よりB案の方が魅力的だし、農地法等の解決が容易ならA案でも良いと考える。このような議論も専門家や役所の関係者だけでなく、地域の人と公開の元で行えると良いのに、と思うところである。 |
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