金田事業の展開に思う
2010/01/07記
 昨年もいよいよ終わるという時になって都市再生機構が整備を進めている金田東地区に三井不動産がアウトレットモールを作る計画であることが発表された。
 この場所では何年か前に外資系のIMIによる『モールオブザワールドキミサラヅプロジェクト』なるものが発表されていたが資金集めが成功せず中止になった記憶があり、地域は非常に落胆していたものだ。今回は天下の三井グループなので大船に乗ったように安心していきたいものである。
 
 三井アウトレットモールの発表の前に、ベイシアとカインズの進出も決定しており、このように多くの施設が金田東地区に進出してくることになると地域のポテンシャルも高くなり、本市にとっては雇用の増加や税収の確保が期待される話である。
 さらには、県が施工主体となっている金田西地区土地区画整理事業についても評価が上がり、地価が上昇すれば保留地売却処分金で事業費が捻出できるようになり、県や市の負担金が減少する効果が出る。
 さらに、土地価格が高まる事により金田総合バスターミナルの整備費も区画整理事業費の中から捻出出来れば、事業主体の問題も解決できるのだが、それは別の機会で整理したい。
 
 多くの民間企業が進出を表明した理由は、金田事業の使用開始時期の見通しが立ってきたためであり、逆に考えると木更津市に取っては関連事業の遅滞無い整備が責務となる。税収が発生する前に多くの公共事業費を使うことになり、一時的に市債額が増える事態を、今後数年間は許容しなければならず、議会もその判断が求められる事になるだろう。
 木更津市だけでなく、金田東地区へのアクセスの鍵を握る金田西地区の区画整理事業も、主要幹線道路の完成が求められており、一部では都市計画道路中野畑沢線の姿を見せ始めている。

 形を見せることで地域の意識を高揚させる効果はあるだろうが、技術者としては細切れの施工で品質面や施工単価の上で疑問が残る事もある。金田西の事業については急ぐと同時に安価で高品質の工事が進むように、発注者側の計画性が求められるのであるが、県が施工主体と言うこともあり、私にはチェックできないことがもどかしい。
 
 昨年末の12月22日には下水道事業団に9億68百万円で委託した金田西汚水中継ポンプ場について土木建築工事の入札が終わり、冨士工・進和JVが 3億8350万円で受注したので、年明けから大規模な工事が始まることになるだろうし、年度が替われば機械設備や電気工事も続けて出るだろう。
 中野畑沢線についても江川海上自衛隊前の拡幅等の工事が県によって進められ、市街地と金田を結ぶ道路網はより強くなる事は明らかなのだが、金田の最寄り駅であるJR巌根駅にアクセスするルートの対策が遅れていることは気がかりである。
 
 羽田D滑走路も今年中の供用を目指して工事が進んでおり、発着枠拡大や国際線の乗り入れに伴う事業用地の需要が見込まれる中で、時間距離の近さは強い武器になるだろう。
 まだまだ金田事業は大きく展開する可能性がある。それを地元自治体の立場では、ある時は推進し、ある時は照査し、またある時には提言して、よりよい形にして行かねばならないだろうと、年頭に当たって考えを深くしている所である。