山形市の七日町商店街で思う
2010/01/11記
 中小企業庁がHPで「がんばる商店街77選」を発表している。前に国土交通省(現在は観光庁)が「観光カリスマ百選」を発表したときにも先進地の事例として所々を見ていたが、それにより勇気づけられたり頑張らねばと言う励みにもなる。
 
 成人式を含んだ3連休は土曜日に用事が入っているが、それ以外の日の予定が変更になったり中止になったりで、残り2日間が自由に使えることになったので、スキーと温泉を楽しみながら先進地を見るツアーに出かけよう、と出発前日に思いついた。そこで上記のHPを見ると山形が元気になっているという話なので、そこを中心に出かけようと考えた。昨年の10月にも山形に行っているので、その時に見ておけばよかったはずだが、その時点では気づいていなかったのである。
 
 日曜の朝4時に出発すれば9時前には山形に到着する事が可能である。しかし山形入り直前の高速道路の間近にある宮城県のセントメリースキー場で3時間ほど滑る目的も果たしてから昼過ぎに山形市内に到着した。
 
 当日は初市が行われており、商店街の真ん中を通る車道は歩行者天国となり両側に出店が軒を連ねており、歩き抜けることも困難なほど混雑している。日常の賑わい状況を見るつもりで来たのであるが、その目的は達することが出来なかったが、イベントには多くの人が集まることは体感した。
 
 県庁所在地であり支社などのオフィス需要も多いのでビル需要はそれなりにあるのだろう。しかし、写真のように商業施設が撤退した後の空間を綺麗な広場として使っている事には感心した。木更津では廃墟になりかけの建物や草原、駐車場が広がるだけで、落ち着ける場が少ない。
 
 店舗は埋まっていなかったが、戦略的に屋台村を配置して空間に変化を持たせるなどの工夫も見られ、個性化を官民共同で図っている姿勢を感じることは出来た。ただ、このような屋台村より路地そのものが木更津駅西口に広がるのは個性化の上では強みだと思う所である。
 
 駐車場不足は木更津とあまり変わらないと思うし、国道13号線沿線には大型商業施設の進出も認められた。何故市街地でも旨く活性化していられるのかは、数時間の街歩きだけで理解することは困難だった。その一方で、山形に出来ることが何故木更津で出来ないのだろうかと考えていた。
 山形市の人口は約25万人で、山形県全体では120万人弱である。木更津を中心としたかずさ四市の人口は約32万人で、市原市〜山武市以南の房総半島の人口も130万人強と山形県を上回っているので、木更津に魅力があり、吸引力さえ有れば同様の賑わいが出来ないはずが無い、と思うのだ。
 木更津が横浜や千葉に商圏を奪われると言うなら、山形市も市境を接している政令指定都市の仙台市に商圏を奪われそうであるが、何とかそれを防止しているようだ。これは前に見た本四架橋で阪神地区とつながった高松市でも思ったことである。
 
 県庁所在地には公共投資が行いやすいことや、ビジネスマンの存在で昼間人口も多いことなど、本市より有利なことが数多くあることは理解できる。しかし、最も大きな違いは街を活性化したいという住民の意志では無いだろうかと、屋台で購入したローカルフードの「どんどん焼き」や「玉こんにゃく」を食べながら考えていた。