学校再編を考える
2010/02/18記
 3月議会が始まった初日である16日に『木更津市立小中学校適正規模等審議会からの中間答申書』の写しが渡された。
 これは2月10日に審議会から教育委員会に対し、新市街地での対応についての答申が出されたもので、15日には臨時教育委員会が開催されて意見交換を実施しているようである。
 
 審議会は昨年の3月19日から中間答申を決定した2月10日まで6回開催され、その第5回目は傍聴させて貰った。地域や保護者の代表という立場で参加している委員は住民感情に配慮して先駆的な提案を出来ないのではないかと危惧していたが、それは杞憂だったようで、本市が向かわねばならない重要な点を指摘していただけた良い答申書であった。
 ただ、議会や外部に解り易く伝えるため、事務局は概要版の作成をすれば良いのに、と思うところである。
 そこで、私が勝手に概要を要約し、その後意見を述べたい。
 
 今回の中間答申は旧木更津・波岡・清川に関する範囲で、それ以外の地区は最終答申書で提案される事になる。
 今回の中間答申書の範囲では、以下の変更が望まれる。
 @西清小学校は当面存続するが、将来的には中学校区に合わせ、第一小学校と祇園小への分割編入を検討する。
 A請西小学校は今後も人口増が予想されるので学区を南北に分割し、真舟にある小学校用地に学校を新設する。
 B第二小学校のうち、国道以東の部分については上記の真舟の新小学校へ編入する。
 C第二中学校については真舟にある中学校用地へ移転し、上記の真舟の新小学校と西側に縮小された第二小学校を通学範囲とする中学校にする。
 D太田中学校は現行の位置で、北側に縮小された請西小学校の全てと清見台小学校を通学範囲とする。
 D清川中学校は現在祇園小学校の一部が進学してくるが、これを全て第三中学校に進学させる。一時的に生徒は減るがほたる野の人口増加で適正に戻ると予想される。
 E東清小学校は近い将来に複式学級になると予想されるので南清小学校と統合し廃止する。
 F波岡小学校は大久保の小学校用地に移転し、畑沢小学校から波岡小学校に通学区の変更を行った部分は畑沢小学校に戻し、八幡台小に通学している羽鳥野の一部を通学区に編入する。
 G桜井の小学校用地と畑沢・八幡台の中学校用地は活用の可能性が低い(従って学校用地として残す必要性はない)。
 
 これを簡単な表にまとめ、校庭の狭さや借地の有無、耐震対策についても加筆すると下表のようになる。
校名 方針 校庭 借地 耐震対策[Is値]
第一小 狭い 工事済
第二小 学区変更 工事済
東清小 統合 有り [0.44]
西清小 将来統合 狭い 有り 工事済
南清小 [0.58]
清見台小 学区変更 有り 工事済
祇園小 [0.41]
波岡小 移転・学区変更 有り 工事済
畑沢小 学区変更 [0.55]
請西小 学区変更 [0.59]
八幡台小 学区変更 [0.66]
真舟小(仮) 新設 [0.66]
第一中 工事済
第二中 移転・学区変更 狭い [0.32]
第三中 工事予定[0.23]
太田中 学区変更 [0.57]
畑沢中 [0.60]
波岡中 不要
清川中 学区変更 不要
 
 請西小については現在もパンク寸前の状況で、さらに人口の増加が続いているため、早期の新設は必要と思えるが、その時には東清小を南清小と統合廃止して、学校総数を増やすことなく対応することが望まれる。東清小の廃止は抵抗が大きいだろうが、馬来田小学校のエリアで通学が行えている事を考えると、無理では無い。複式学級が始まる前に地域の総意を取るべく交渉を始めるべきだろうし、Is値0.44の校舎の耐震工事を行う前に廃止決定がなされるべきであろう。。
 
 西清小については当面現況のままとしているが、児童の大多数が第一中に進学している事や、第一小が立派な施設として完成したことを考えると、早めに中学校区に合わせた分離統合を進めるべきだろう。そして耐震対策も終わっている校舎には幼児言語センターが別棟の福祉会館に間借りしている『まなび支援センター』と図書館という両教育施設を移設し、それぞれの駐車場不足を解消できるのではと考える。
 
 波岡小については将来的に移転は必要と思うが、当面は現在の位置のままで、先行して羽鳥野四丁目〜七丁目を八幡台小から波岡小に学区変更し、3月議会で提案している八幡台小学校校舎増築工事費約1億4千万円を節約すべきと思う。
 同様に太田中も請西東の一部を現在の第二中に戻すことで、8千万円の校舎増築費を抑えられるのでは、と思うが、これらは委員会付託されずに23日に審議される内容だ。仕方がないから本会議で聞かねば成るまい。
 ただ、第二中も手狭でIs値も0.32と危機的に低いから、その移転も早急に検討するべきだろう。真舟小(仮)の建設で巨費が出た後に、それだけの工事を続ける体力が本市に残るだろうか。
 
 今後の審議会では人口減少地区を検討していくことになる。明治の合併では学校を造るために自治体が出来上がって来たのだが、それを奪うような結論も出されてくるのであろう。岩根にしても東西の中学校の統合や、さらにそこに金田中学校も加えるような検討がなされてくるだろう。
 古くからの歴史や地域性など難しい問題が山積みに成るだろうが、審議会の皆様には邪念が無く、素晴らしい答申を出してくれることを期待している。