徴税事務を考える
2010/03/01記
 確定申告の季節が訪れ、例年のようにバタバタと整理作業を済ませて申告書の提出を行ってきた。思えば日本道路公団を退職してから自営の道を歩んできたので、今回が20回目の申告であると思う。ただ、今年は2月中が予想外に忙しく、提出が3月にずれ込んだのは数年ぶりになった。また、e-Tax(国税電子申告納税システム)については、住民基本台帳カードや電子証明書の取得をする気がないので利用していない。国の方針に協力していないので議員としてはどうかと思うが、優遇措置を受けずに、納税を余分にしているので許していただきたい。
 
 確定申告の受付は数年前から市民会館の中ホールで行われている。税務署で行っていた頃に比べ駐車場も広く便利になったとと思っていたが、今日は大変混んでいた。見れば小ホールで運転免許更新時講習も行っていたようだ。指定管理制度になり市民会館の稼働率も高まっていると実感する。
 
 確定申告で思うのは、せっかく税務署がこの時期に市民会館に会場を移してくるのだから、所得税及び市・県民税の申告相談受付も市役所ではなく、同会場に移せば市民が右往左往するような事も無いし、市役所の大会議室を年度末の多忙期に長期間使用不可に成ることもないのに、と思うが過去の資料の検索などで不都合があるなどの理由で現在の状況に成っているのだろう。それでも、今後も市民の利便性のために検討を進めるべきであろう。
 
 市民が市に対して支出する税金や公金を考えると、市・県民税以外にも国民健康保険税や介護保険、水道使用料、保育園保育料、学校給食費、市営住宅使用料など、人によっては数多くの窓口に支払いを行っている者も居るだろう。
 口座振替を行っているので有れば、あまり煩雑とは思わないだろうが、窓口払いの場合はそれぞれの請求書を手に各所を回らねばならない状況が改善されたとは聞いていない。
 さらに、納税や払い込みが滞って来た場合は、それぞれの担当課が徴収事務に取り組むことになるので、これを何とか改善できないのだろうかと思うのである。
 
 特に近年では、所得がありながら納税や公金支出を逃れようとする一部の不心得者が居り、決算の時にも徴収率の著しい低下となって現れている。このような者に多くの職員が対応するような無駄を省き、法廷処理も厭わない徴税公金徴収特別班が編成できないものかと予算委員会や決算委員会では発言している。
 近年の電算処理の技術を使えば、個別の項目事の額でなく、市に対して支払うべき公金の総額管理などは難しい話ではないと思うし、市民にとってもその方が楽だと思うが、制度の壁で、なかなか前進していないようだ。
 
 民主党も野党の頃には年金を扱う社会保険庁と税金を扱う国税庁を統合して歳入庁を造ると考えていたようだが、その後の話を聞かない所を見ると、やはり役所の縦割りは厳しいのであろう。
 議員という立場は縦割りの組織を横から眺める事が出来るのだから、市民目線を忘れないように制度も考えて行くべきだろう、等と確定申告提出の長い列に並びながら考えていた。