尾道と舞鶴で思う
2010/05/06記
 木更津市は東京からの時間距離が近いことや、市街地が空いている事などで、最近は多くのロケが実行されている。市役所には繰り返し貴重な観光資源であるからロケ地マップでも作れないかと提案しているのだが、検討するという回答のまま、具体的な作業には進んでいない。
 今回、GWを使って西日本に行って来たので、ロケ地観光の先進地である尾道と、最近売り出し始めている舞鶴に立ち寄り資料を入手してきた。
 
 尾道は1980年代に大林宣彦監督による尾道三部作(「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」)が有名になり、映像に出てきた路地を追体験したいという多くのファンで賑わった町である。その後も90年代に新・尾道三部作(「ふたり」「あした」「あの、夏の日」)が発表され、大林作品のファンの聖地となってしまった。ロケ地マップも大林監督の政策協力を受けているようである。
  
 
 一方、舞鶴の場合はロケを行った映画やドラマを広く網羅し、著作権の関係で映像を使用できないものは、その場書を撮影した写真などを使用している。舞鶴も古い基地の街だから良い風景や懐かしい光景に恵まれているのだろう。ただ、ロケ地マップと言うより観光パンフレットの一部を構成しているだけだから厚く、持ち歩いて探す点では優れているとは思えないものである。
  
 
 木更津でも映像になったという事実という多くの財産が活かされることなく埋もれている状況である。これを如何に活用するか考えてみたが、例えば商工観光課職員が多くのロケ情報を把握しているのでなければ貧弱なものに仕上がる可能性もあるし、ロケ地マップ作成の能力を秘めている職員が配属されているわけでは無いと想像できる。
 そこで対応として考えるのは、市民力の活用である。多くの映画やドラマを見て、何処がロケ地だと考えているコアな人や、身近なロケを把握しようと勤めている市民も多くいるはずで、それをネットの力を使って集約する事が出来ないかと思うのである。
 その事が、また木更津に一つの魅力を深めることになるだろうと考えている。
 
 GWの連休中は比較的潮回りが良く潮干狩りは賑わっていた。アクアラインの海ほたるは年間6百万人を越える観光客を集める施設で、黙っていても木更津には客が来ている、と勘違いしている訳では無いだろうが、交流人口を増やそうという努力が充分であるかという点で疑問はある。
 また本来で有れば主要な観光地になるはずの證誠寺や中の島も喜んで観光客を迎えようと言う空気を醸し出していないと感じるのは気のせいではない。そのような拠点整備も併せて重要であることは間違えない。長浜市の黒壁スクエアのような賑わいも学ばねば成らないと思っているがこれは別途記載したい。
 
 費用対効果の点など、冷静に考えねばならない事も多いが、木更津の魅力を高める簡易な方法が有るならば、取り組むべきであろう。連休中に長距離を運転しながらその様なことを考えていた。