港まつりで思う
2010/08/16記
 今年も天気が良く、大きなトラブルもなく港まつりが終了した。
 
 花火大会に先立つイベントは、商工会議所青年部の努力により多くの見所があり、例年以上に充実した企画と思われ、午後2時過ぎから西口に繰り出した。
 拓大紅綾高校のマーチングバンド、袖ケ浦高校の書道パフォーマンスなど、会場で行われるイベントも素晴らしかったが、何より市民と一緒に日本一の長さ[116m]になるアサリの巻き寿司を作るイベントはシンプルでありながら45分以上の時間を費やす事に感動すら覚えた。企画運営に当たった皆様を讃えたいと思う。
 
 
 
 
 
 
 その様に、花火開始前の4時間を楽しませていただいたが、その間に目に付いたのは多くの市役所職員の姿であった。
 本年は兵庫県明石市の花火大会で発生した死傷事故で、交通規制を行うべき警察署長の罪を問う判決が出た事を受け、管理体制を強化することとなり、職員の半数近い400名を越える人達が港まつりの警備に望むことになったと聞く。また、老朽化が進む港湾施設でも万が一の事態に成ってはならないので港湾管理者の権限で立入禁止とされた場所が多く出たとも聞く。
 
 安全が優先されることは重要であるが、過大な対応には正直言って疑問が有る。膨大な民間警備員を配置することはコストの増大でもあるし、設営側に大きな人的負担を生じさせる行為は、将来的に祭りの存続の是非が問われることになるかもしれない。
 極論を言えば、安全を何より優先させる方法として祭りを行わないという結論すら有るだろう。
 
 ただ、今回警備の人数を官民とも併せて増加したはずなのに、日曜日で来客数が多かったためか、例年生じる渋滞箇所の目に見える改善はなかったように思われる。屋台出店の禁止区域の設定とか立ち止まり防止のための視線防止措置や、複数ルートによる駅港間の誘導策の強化などなど、他にも技術的対応が可能と思われる事もある。
 それ以外にも、木更津市の旧市街の懐かしい街並みを保全活用する取組の中で、内房線以西の建物には高度制限をかけたり、計画的にオープンスペースを作ることで、街中の多くの場所で花火が味わえる場所を作るよう、さながら大文字焼きを眺める京都市のようなまちづくりも考えても良いのかも知れない。
 
 これだけ多くの人に期待されている港まつりを確実に来年以降も開催できるよう、現実的な対応を考えて行くべきであろうと、尺玉の音を聞きつつ人混みに流されながら、そんな事を考えていた。