羽田国際化に思う
2010/11/01記
 昨日より、羽田空港の国際定期便の運行が始まった。木更津市の目の間に広がる東京湾の上空を深夜でも海外に向けた飛行機が飛び交うように成ったのである。
 なお、新空港ターミナルの開業は21日に行われており、31日までの10日間もソウル・北京・上海・香港からの国際線が就航していたが、これらは手続き上、あくまで2003年より運行されている「チャーター機」で、規則正しく飛んでいても臨時便であるという建前であったので、昨日より定期便が就航となったという解りにくい表現である。
 
 Wikipediaによると、今までチャーター機が就航していた前述の4都市に加え台北[松山]、バンコク、シンガポール、ホノルル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、パリの7都市が昨日から羽田と結ばれ、現在の所、11都市との運行が行われているようだ。
 今まで羽田空港には日本航空・全日本空輸を始め、国内線を運行するスカイマーク等の国内企業以外にもチャーター便を運行していた大韓航空・アシアナ航空(ソウル)、中国国際航空(北京)、中国東方航空・上海航空(上海)の5社が乗り入れていた。
 それが昨日よりエバー航空・チャイナエアライン(台北[松山])、キャセイパシフィック航空(香港)、タイ国際航空(バンコク)、シンガポール航空(シンガポール)の5社が加わることになったのである。
 さらに今後は年内にもマレーシア航空(コタキナバル:11月15日予定)、ハワイアン航空(ホノルル:11月19日予定)、エアアジア X(クアラルンプール:12月9日予定)、香港航空(香港:2010年末予定)の4社が加わり、翌年にはアメリカン航空(ニューヨーク:1月20日予定)、エアカナダ(バンクーバー:1月29日予定)、ブリティッシュエアウェイズ(ロンドン:2月20日予定)、デルタ航空(ロサンゼルス・デトロイト:3月予定)、S7航空(ウラジオストク:4月予定)の5社も加わる見込みである。
 その結果、来春までには新たな就航都市として、コタキナバル、クアラルンプール、ニューヨーク、バンクーバー、ロンドン、デトロイト、ウラジオストクの7箇所が加わり18都市が金田から25分で行ける空港と結ばれることになる見込みである。
 
 新たに加わる航空会社による需要や、新たな都市と結ばれることによる経済効果は大田区だけで完結されることなく、川崎市や木更津市にも享受されるべきであると思う。現にアジア富裕層をターゲットに三井アウトレットモール木更津金田の計画が出されるなど影響の徴候は出ている。
 しかし、せっかくの時間距離の近さも、先方が24時間空港であることに対し、バスが深夜運行を行わない以上、充分に条件を活かしている事になっていないだろう。羽田のバックアップ機構を担うためにはバスの24時間運行が待たれる所である。
 交通体系の充実以外にも、例えばロシア人企業によるS7航空への機内食調達会社を誘致するとか、マレーシア富豪に日本の別荘として木更津の不動産を紹介するなど、今までの常識では考えづらかった対応が求められているのかも知れない。そんなネットワークを持った人材がはたして木更津に居るのだろうか、心許ない所である。
 羽田の国際化インパクトを、どの様に木更津に呼ぶべきなのか、ニュースを見ながらそんなことを考えていた。