中国東営市を調べる
2011/01/20記
 中国国家統計局が20日発表した2010年の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で前年比10.3%増加したと先日のニュースが伝えている。3年ぶりの2桁成長であり中国の勢いを感じさせる。日本の内閣府によると、1〜9月のドル建てGDPは日本が中国をわずかに上回ったが、10〜12月は中国がかなりの差で日本を上回ったとみられ、中国が世界第2の経済大国に浮上したことが確実視されているそうだ。
 日本は最高レベルの円高が続いているおかげでドル換算では中国と僅差の3位で有るが、仮に円高が一段落して、中国元が切り上げと成った場合は、一気に差を広げられる事になるだろう。
 なお、中国では、最近の天候不順で農業生産が低下したことによる食品価格の上昇や原油を始めとする原材料の上昇圧力で、今後はインフレが生じているという話である。デフレの日本と違い、物価上昇に苦労している国民は、輸入品が安くなるように元の切り上げを望むだろうが国家が統制しており、胡錦濤国家主席がアメリカ合衆国を訪れオバマ大統領と協議しても、なかなか劇的な変化は生じそうもない。
 
 個人的には世界第2位の経済力に相応しい国連分担金の支払いとか、日本に黄砂を降らせない環境対策とかを講じて貰いたいと思う。もちろん前にも書いたようにチベットやトルクメニスタンの人権問題も解決して貰いたいが、それは経済力以前の問題である。
 
 それはともかく、国家体制の問題や国民感情の問題などがあっても、現実に中国が力を付けているのは間違えなく、今までの英語圏のみに国際的な興味を示す姿勢を改める必要がある。
 木更津市でも大陸の成長を前提に東営市からの職員派遣研修を受け入れ、先方より友好都市を結びたいという申し出が有ったことが議会でも報告されている。時期が熟したら友好都市に発展するという意向書の締結を昨年2月24日に締結したそうである。
 
 東営市は観光で著名な都市ではないが、調べてみると山東省に位置し黄河が渤海に注ぐデルタ地帯にある、中国第2位の規模を誇る勝利油田を擁する新興石油都市であるようだ。
・面積 7,923 km2 (木更津市の約60倍、千葉県の1.5倍)
・人口 176.81万人(2008年:木更津市の約14倍)
・現在の姉妹都市はアメリカ合衆国テキサス州ミッドランドと大韓民国江原道三陟市の2箇所である。【以上Wikipediaより引用】
 ちなみに東営市の属する山東省全体と千葉県を比較すると、
・面積 156,700 km2(千葉県の約30倍、日本の約41%)
・人口 9,400万人(2008年:千葉県の約15倍、日本の約74%)
であり、省とは言え、国家に近い規模を持っている事が解る。
 
 大陸と同時に台湾とも同じ程度の重さで付き合いをするべきだと思うが、大陸との友好を否定する物ではないし、中国が重要だと考えていることは冒頭の通りである。日本との定期便が就航している青島国際空港から3時間程度の距離らしいので何かの機会に見に行けたら良いな、とインターネットでデータを調べながら思っていた。