金田と都市経営を思う
2011/01/28記
 巌根駅の駅前広場設計が順調に進んでいるようだが、肝心の快速停車に向けた駅改修に伴う負担協議は難航しているようだ。線路移設まで伴った袖ケ浦駅に比べ、単純に延長するだけの巌根で負担が増えるような話では受け入れがたいと言う空気になるのは当然である。おまけに建設費も労働単価の低下等により当時より積算金額が低くなると予想される中なので、安価でなければ変だろうと強く思う。
 
 さて、この巌根駅関連の整備は停滞する岩根地区の活性化策であるとともに、平成24年春開業と言われる金田東地区のアウトレット等へのメインアクセスという位置づけで進められている。
 金田東地区へのアクセスだけで考えれば袖ケ浦駅の方が近く、間もなく事業化になる袖ケ浦駅北口区画整理事業が有効に機能するなら便利であることは正しく、金田の住民の気持ちがそうなる事も有る程度理解できる。
 
 しかし、金田東西の区画整理事業には木更津市が下水道事業や公園整備などで多くの事業費を投入することになり、その大部分を閉める市債の償還に当たっては木更津市民の税金負担が伴うことになる。それを理解している市南部の住民からは金田事業に対する疑問の声が挙がっており、まずは事業費の支出を少なく抑える努力が必要である。
 それでも将来的に税負担が生じるので有れば、その時代の市民のために木更津市が自主財源を多く持つ政策を今から取る責任が今の行政担当者や政治家にはあるだろう。そのため、金田東から遠い側に有っても木更津市に属する巌根駅整備が必要になるのである。
 
 仮に近い将来に木更津市と袖ヶ浦市が合併し、金田事業を含めた市債の償還を袖ケ浦に属する企業群の税収で充てることが出来るなら、他の考え方があっても良いであろう。そもそも、その様な考え方が有れば、小櫃川を越えて上下水道を供給するという不自然な形態には成らなかったと思うと、広域行政を急ぐ必要があると思われる。これを機に袖ケ浦議会から合併協議の申し出が有ればよいのだが、それは当面無いだろうと知りつつ、こんな事を思っていた。