放射線の風評を思う
2011/03/21記
 17日の小学校の卒業式が終わり、市役所に到着してテレビを見ると、福島第一原子力発電所で、木更津基地から出発していったヘリコプター団が文字通り懸命の放水活動を行っていた。その姿勢に頭が下がるのと同時に被爆した機体があり木更津は危険だなどという風評被害が広がらないことを祈って映像を見ていた。
 幸い、自衛隊の機体や消防車両に疑いの目は向けられなかったが、影響はそれ以外の場所に出てきた。
 
 20日に東京都は、築地市場経由で都内に流通した千葉県旭市産の春菊から、国が定めた暫定規制値(1キロあたり2,000ベクレル)の2.15倍にあたる4,300ベクレルの放射性ヨウ素を検出したという発表をした(朝日新聞による)。これにより販売禁止措置が執られ、茨城県・栃木県・群馬県のホウレン草についで、旭市だけに留まらない千葉県産の青果物にも疑いの目が向けられる事になることを懸念している。
 その東京都でも水道水の中から放射性ヨウ素が検出されたとか不安を煽る情報が飛び交っているが、値としては安全基準値以下であり、健康被害は生じないと専門家は言っている。しかし、水俣病でチッソの排水は原因ではないと言っていた専門家の事例のように、本当のことは隠されていると不安を抱えている人が多数居るようである。
 
 さらに今日の朝からの雨に対し、放射性物質が入っている可能性があるので心配な人は濡れないように中止したほうが良いという専門家もテレビに出てくる。実際に混入している事は事実であろうが、千葉県では濡れても被害が出ないと思うのに、かえって心配を高めてどうするのだと気になってしょうがない。
 
 放射線の値である[シーベルト]や[ベクレル]は日常的ななじみが薄く、何となく不安に駆られるのも仕方ないと思うが、せめて玉川温泉で何日間湯治をしたのと同じ程度ですよという優しい表現か、放射線障害が出るのは屋外で連続何百年浴び続けた後になるといった現実的でないことを理解させる比喩であればこんな騒ぎにならないだろうと思っている。
 
 荒れ狂う発電所を平常に戻すために懸命の活動を続けている関係者の努力は別格として、半径30km以外の社会資本の復旧工事に力を尽くす建設会社、配達先が『福島県』と聞くだけで不安になりながら向かう運転手など、この危機の中でもそれぞれの役目を果たす多くの人達で今が維持されている。
 その事を思えば、せめて遠く離れた千葉県で過ごす我々は、地域で生産され検査で安全だと証明された農作物を根拠無く不安視することなく消費することで、地域の生産を支えながら東日本の物不足の緩和に寄与したいものだと考える。
 連日の報道を聞きながらそんなことを考えていた。