地球温暖化対策を思う
2011/11/29記
 昨日から南アフリカのダーバンで約200カ国が参加する気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が開かれている。ここで注目されているのは来年末に期限切れを迎える『京都議定書』の後を受ける温室効果ガス削減をどうするかという点である。
 発展途上国は経済成長の為に化石燃料を使用する権利は認められるべきであると主張するが、中国やインドのような主要排出国が削減に加わらないと実質的な意味を為さないし、先進国の中でも京都議定書の誕生直後にアメリカが離脱するなど、『京都』の目標は高くても効果を上げているとは言い難く、その約束を守るため、排出権取引などを行うことは経済的に無駄だし企業の競争力を失うだけだという論調も生まれていた。
 この不公平感が解決されない以上、日本も『京都議定書』の延長は認められないと言う立場であり、今日の昼間にはカナダが年末までに離脱する見込みだと報道された。ヨーロッパを中心に環境対策に熱心な国は新しい枠組みを何とかしようと模索しているし、気候変動の影響を直接受ける島国の連合組織「小島嶼国連合(AOSIS)」は先進諸国に対し新たな気候変動に関する条約の締結を切実に要望しているが、現在の所、世界を網羅した約束が為されるとは思えない。
 
 さて、地球温暖化は木更津でどの様な効果を生んでいるかと気になり、近年の冷え込みが昔に比べて生ぬるいという感覚の元に過去4回、10年おきの木更津の最低気温をアメダスで調べ、比較グラフを作成してみた。
 
 グラフに示すように、昔は11月の前半にも6度を切るような冷え込みがたびたび訪れていたものが、今年度は20日を過ぎるまで生じていない事が解る。これにより、日々の生活の視点では楽であるが、冷え込みを必要とする海苔の養殖や日本酒の仕込みなどには影響が出ているようだ。
 
 鳩山元首相が2009年9月22日に国連本部で開かれた気候変動サミットにおいて温室効果ガスを1990年比で2020年までに25%削減することを目指すと表明し、世界的な注目を浴びたが、この前提として2020年までに原子力発電所9基の新設(及び稼働率の80%以上への引き上げ)を前提としていたため、東日本大震災を受けたエネルギー政策の見直しで目標達成は困難に成っている。
 更に言えば、原子力発電所の稼働停止分を補うため天然ガスや化石燃料による発電が拡大されたため、日本は温暖化ガスの排出量を増やすことに成っているハズである。
 
 世界の枠組みが期待できず、国家としても約束を守れそうもない中で、木更津のような地方自治体が出来ることは限られている事は解ってるが、太陽光や風力のような発電設備の普及で化石燃料を使わないエネルギー政策を推進しつつ、省エネ設備への変更や冷暖房の抑制などのようにエネルギー消費そのものを削減するなど、出来ることから取り組むべきだと思っている。
 そのため、最低でも新設する学校には屋上に太陽光発電を設けることを標準とする取組が起きるべきだろうし、その次には様々な環境政策に企業と供に取り組んでいくことで、結果としてかずさ研究都市に脱化石燃料研究が集積する一代拠点と成り、大きな雇用が発生する事までを視野に置いた政策展開が出来ないものであろうかと考えつつ、部屋の中で厚着することで寒さに耐えてHPを更新していた。