中途半端な仕事に思う
2012/03/27記
 今日から17日後に「三井アウトレットパーク木更津」が開業するが、その2日前に竣工披露や内覧会が開催される。すると最低でもその前日までに関連工事を終了せねばならないと考えると、残された時間は2週間だけとなる。
 今日も現場を見に行くとインターからの道は何とか形になり、後は消防署前周辺の歩道をどうにかするだけなので、今週の天気予報の通り雨がなければ間に合うことであろう。中野畑沢線も信号を含め、バタバタと完成させており、都市再生機構の底力を見せる結果になりそうである。
 たった一つ心配なことは、品質管理に充分な時間を掛けることが出来なかったため、道路の下の路盤が弱く、多くの自動車やバスによる来客によって早くに轍やひび割れが発生するのでは、という事である。
 
 金田周辺は無理をして間に合わせた感があるが、本来はそれと同時期に中野畑沢線の新宿から金木橋までも暫定2車で供用を始めるはずであったのが、工事は中途半端に終わったまま年度末を迎えている。
 
 写真は海上自衛隊前の部分であるが、暗渠化した水路の流末部分の設計が完成していないのか、新規に造った道路も虫食い状態である。せっかく舗装を乗せたのに使用することも出来ない。
 
 使えないような状況で半端に完成させると、有る意味では完成まで不良資産であり、民間企業で有れば非効率な経営と株主総会で追求されるであろう。公的企業でも、借入金で工事を行い運用から得る利益で返済する道路公団のような組織では、このような状況は最も嫌われる対応である。
 
 中野畑沢線は此処だけでなく、中里側でも切り替え工事が始まっておらず、2ヶ月程度遅れると表明しているが、その程度で収まるようなら年度末に出来上がっているだろうと、数多くの現場を監理してきた技術者の立場で、県の工程管理能力や技術力に疑問を持っているのである。
 
 上記の写真で私が勝手に想像することは、難しいことの先送りである。これは途中から参加した羽鳥野の造成などでもよく見られた事である。進捗率を高めるために始めはやり易いことだけ行い、全体が大体完成してくると、難しいところが上手く出来ていなくても今更仕方ないと諦める事を狙っているのかも知れない。
 最後に残されたところを処理する担当者や施行業者は、貧乏くじを引かされたようなもので、良い迷惑である。
 
 私も難しいことを先送りする事はある。それが道路のような形に成っていないためにみっともない姿をさらす事がないだけかも知れない。一つ一つ片づけていく、着実な行動が必要なのだろうと、人の仕事を見ながらそんなことを考えていた。