消防組織を比較する
2012/05/25記
 富津市役所の隣接地において消防防災センターの建設工事が開始されている。これは昭和49年に建設された富津市消防本部庁舎の耐震性・消防救急無線及び消防指令業務の共同運用等に対応するための対応で、来年度の運用開始と同時に消防本署と富津出張所が統合されることになる。これにより富津市は天羽出張所と2箇所体制として運用される事になる。
 
 木更津市の消防組織は平成8年に金田分署が設置されて以来、本署のほか長須賀・金田・富来田の3分署、波岡・高柳・清川の3出張所の7箇所で市内全域をカバーしている。
 君津市は本署の他は上総・松岡・小糸の3分署で、出張所は無く4箇所であり、袖ケ浦市は中央・長浦・平川の3消防署による体制を取っている。
 
 本市の消防署は耐震診断で安全を確認されているものであるが建て替えを行っている富津市消防本部より2年古い昭和47年に建設されたものである。ファシリティマネージメントの視点を持って考えると、今後施設の更新を検討していく中で、近隣市と比べても数が多い出先の整理等を含めた再編を検討すべき段階ではないかと思うのだ。
 
 ちなみに、近隣市に比べどの程度多いのか、人口と面積に着目し、比較してみたものが下の表である。
人口
[人]
面積
[ku]
消防署等
[箇所]
人口比
[人/箇所]
面積比
[ku/箇所]
君津市 89,160 318.83 4 22,290 79.71
富津市 48,380 205.35 2 24,190 102.68
袖ケ浦市 60,982 94.92 3 20,327 31.64
木更津市 129,561 138.73 7 18,509 19.82
参考:1箇所削減した場合 6 21,594 23.12
参考:2箇所削減した場合 5 25,912 27.75
 上記の人口・面積は千葉県のHPに記載された値で、人口は平成23年12月31日の住民基本台帳によるものとされている。本市の人口が13万人を超えていないなど、若干気になる点はあるが、傾向は解るので細かい点は無視しよう。
 
 1箇所あたりの面積で考えると君津市は本市の4.0倍、富津市は5.2倍、袖ケ浦市は1.6倍をカバーしているが、人口比で見るとどの市も2万人当たり1箇所程度と、大きな差がないことが解る。
 大きな差がないとはいえ、1〜2箇所程度削減しても人口比で著しく多くなることが無い事も解った。
 
 面積が狭いという事は具体的にどういうことなのか、今度は図面で検討してみると次のようになる。
 図面は本署分署出張所から最寄りの範囲を二等分線により描いたものである。実際の受け持ち範囲は主要道路等で区分しているようだが合理的に距離だけで担当範囲を想定した図面だと理解いただきたい。
 この図の中央に位置する長須賀分署の範囲は東西約3km、南北約4kmという狭いものになった。それでも本署より多い市内最多の出動実績を誇る分署で、その必要性について疑問を挟む物ではないが、手狭な敷地を解消するためにも再編統合して強化を図るという検討の余地は有ると考えている。
 
 このような視点で6月議会質問に望むのであるが、今回使用した図面や表を議場で使わないと決めたので、せっかく作ったものが勿体ないと思い、今回思うことに載せた次第である。