道について考える
2012/06/20記
 外では台風4号の風が吹き荒れている午前1時過ぎにHPの更新をしながら、月曜日に市道認定の調査を行うために自転車で走りながら考えた事を、台風が収まるまでの変化を感じながら記載することにした。
 
 まず金田東地区に行くと、ベイシアが「7/4オープン」の横断幕を設置しているのが目についた。3週間も経たない内に新たな商業施設が開業し、岩根や袖ケ浦の住民が大勢押し掛けて国道の小櫃川橋梁が渋滞するのだろうと思いつつ、橋から下を見た。
 まず上の写真であるが、これはベイシアと国道の間に袋小路で残された車道である。帰属としては国道の付帯施設と言うことに成っており、区画整理の地区外なので土地の整理が行われなかったのであるが、形態が非常に悪い。市役所が管理するところではないが、必要な農業用水路とその管理用歩道を整備し直し、余剰部分をベイシアに譲渡することで雑草の維持管理コストや不法投棄リスクを下げると供に、民間利用による収税を期待すればよいのにと考えたが、このような整理を面倒に思うのは役人の常である。
 次にベイシア南側の、金田西区画整理組合の道路が出来るまで行き止まり道路となる道であるが、右のように理解しがたい中央分離帯が作られていた。将来は壊すことが解っていて、どうも無駄なものが作られ過ぎると、最近の中野畑沢線でも思っている。
 
 そして今回の市道認定でも4路線が該当する『行き止まり道路』について、最近は疑問が蓄積している。今回だけでなく、今までも多くの道路を承認してきた。それは、道路の技術的基準として、道路の終端に直径8m又はそれと同等と認められる転回広場を設ければ、行き止まり道路が認められるためである。
 左の写真のように、現場は奇麗に施工されており、今の制度のままでは承認をせざるを得ないのである。しかし、私の基本的な疑問として、回転広場が有れば、出口が1箇所しか無い道を認めても、防災上の問題が無いのだろうかと考えているのである。
 行き止まり道路では通過交通が発生しないため、交通安全上のメリットは大きいし、騒音の被害も少ない。交通量が殆ど無いので道路も傷まないというメリットは存在する。しかし、その出口付近の建物で火災が発生した場合、奥の人達は支障無く避難できるのだろうか、とか、出口部分に違法駐車がされた場合に乗用車の使用が出来なくなり急病への対応が出来るのかというデメリットが気になるのである。これは通り抜け道路でも両側に発生すれば同じ事であるが、左右同時に同じ事が発生する確率は通常極めて低いものである。
 建築の世界では、このリスクを回避するため、一定以上の規模の建築物には2方向避難を義務づけている。だから通常のビルでは建物の2箇所以上に階段が設けられているのである。この思想を道路形態にも適用して、自治体で勝手に技術基準の制限を設けるべきでは無いだろうか、と思っているのである。
 
 調査の帰りには「あじさい通り」を通った。ここでは排水路工事が行われた結果、水路幅が狭くなり、その分だけ歩道を拡幅している。通学時間には子供達が安心して歩道一杯に広がり、楽しそうに話しながら歩いている姿を見ると広い歩道も良いと思う。
 しかし、ここは今の季節に美しい紫陽花が目を楽しませた通りで、それから考えるといかにも殺風景であり、また夏には木陰もなく歩道の照り返しが辛いだろうと思う。植裁を入れると維持管理が大変であったり、根本に生える雑草の苦情が多いという現場の苦労も解るが、本市は『緑の基本計画』の中で、その必要性を認識しているはずではなかっただろうか、と思うのである。
 
 自転車で走る道の上で感じた様々なことを整理しながらコーヒーを入れたりしている内に午前2時半を回った。外では雨の峠は越えたようだが相変わらず風は吹き荒れている。今日は寝不足で委員会に出るのだなと思いながら、とりとめもなく記載している。