老朽化した港に思う
2012/07/15記
 木更津港の花火大会まで、今日から丁度一ヶ月となった。今年は市制施行70周年を記念して、例年より多い花火が上がる計画となっているようで、大変楽しみにしている市民も多いだろう。
 昨日、街中に出たついでに港を見てきたが、桟橋の一部が『老朽化のためキケン』として立入禁止になっていた。これは今に始まったことではないが、来月の花火大会までに補強を行うとも思えず、きっと立入禁止のままなのだろうと思うと残念でもある。
 
 しかし、今年や来年の花火が最も良い場所で見れなくとも、木更津港にはこの老朽化した桟橋、ひいては木更津港全体が新しいものに生まれ変わるという希望が有る事を前向きに捉えたい。
 特に、東日本大震災や、その後の津波想定の段階でも未着手だった事は、今後の更新にあたっては津波対策が既存の施設に対する二重投資になる事もなく、全くの新規で実施可能であることを期待しているのである。
 
 護岸は市民の手によって奇麗にペイントされ、目を和ませているが、その高さに着目すると右の写真のように嵩上げがされている所とそうでない場所の双方がある。津波は確実に低いところから進入するので、一部の嵩上げはそれほど意味を為さないし、何よりこれでも想定高さに達していない。
 
 嵩上げが途中で終わっているのは、基本的に港を作り替えることを前提としているためで有るかは解らないが、今後長期に渡る港の改修も、まずは今回の被害想定の見直しを反映した港湾計画の変更、次いでその計画の中から防災対策の優先実施、そして利便性の向上の後に、最後に美観などの付加価値を高めるという順序を取って貰い、発生確率が高まってる海溝型地震と津波に早急な対応を取れるように成ってもらいたい。
 
 港が老朽化しているという事は、次に時代の最先端の施設がてにはいる可能性があると前向きに考え、釧路港で見てきたような津波スクリーンなどを備えた安全で奇麗な港が出来る日を待ち望もう、と立入禁止看板の前で考えていた。