自治会を考える
2012/09/25記
 先週中に行われた決算審査の中で、世帯数が8〜1,075までばらつきがある市政協力委員の報酬が一律7万円で適当なのか、という議論が行われた。各自治会の大きさに差があることは認識していたが百倍を超えるとは思っていなかったので、早速調べてみることにした。
 
 市内には文末の表に示すように216の自治会があり、最小の中烏田の8世帯から最大の請西東の1,075世帯まで分散しているが、それを少ない方から並べて棒グラフで表してみると下図のようになった。 
 平均値は172.2世帯で中央値(図で赤線が記載されている所)は134.5であった。2番目に数が多い自治会は羽鳥野の670世帯で、請西東が例外的に巨大だということが解る。なお、3番目のほたる野の640世帯までが全て新興住宅地で、人口の増加に伴って自治会を分割する方向で検討が進むだろうと思われる。
 
 細かい話であるが一の位の値が0であるものが右グラフのように全体の32.4%も有るように、数字を切り上げして世帯数を申請し、水増しされた値になってると推察される。
 自治会にとっては、年度途中の増加を考慮しての行為と思われるが、市の自治会加入率を押し上げる結果に繋がっていると思われるのだ。
 また、街中に店舗があって、そちらで町内会に加盟し、郊外の自宅でも加盟しているケースも推定され、これも加盟率を押し上げる要因になる。私が気にしているのは、自治会に加盟していない市民を現実より少なく推計しているという事である。
 
 なお、自治会は住居表示と一致していないものも多く、『弁天町』『仲片町』『稲荷町』等は住所としては存在しないものであるが、無機質な『中央○丁目』より血が通っているように感じられる。金沢市では旧町名の復活支援を行っており、歴史有る我が町でも検討しても良いかと思ってしまう。
 
 さて、話を戻して市政協力委員の報酬であるが、この平均値もしくは中央値の方が現況の7万円を受け取れるようにしつつ、人口に応じて差を付けることを考えないと、苦労に応じた報酬を出すことに成らないといういう不公平感が残るであろう。しかし、過去に行っていたように世帯数に正比例させると、大きな自治会では膨大な報酬を受け取ることになり、逆に不公平と思われていたと言うことも解る。
 そこで数学的に考えると、世帯数の平方根、又は三乗根に比例させると案外合理的な結果が出るのではと、頼まれもしないのに、勝手に試算して、良い値に成ったものが次式である。
 
 Case1 平方根の場合
  C=5,000×(1+B)
  B=A^(1/2) ・・・小数点以下切り上げ
 
 Case2 三乗根の場合
  C=5,000×(8+B)
  B=A^(1/3) ・・・小数点以下切り上げ
 
  A・・・各自治会の世帯数
  C・・・市政協力委員の報酬
 

 これを表にすると次のようになる。 
平方根に比例 三乗根に比例
A:世帯数 B C:報酬 A:世帯数 B C:報酬
5 9 3 20,000 2 8 2 50,000
10 16 4 25,000 9 27 3 55,000
17 25 5 30,000 28 64 4 60,000
26 36 6 35,000 65 125 5 65,000
37 49 7 40,000 126 216 6 70,000
50 64 8 45,000 217 343 7 75,000
65 81 9 50,000 344 512 8 80,000
82 100 10 55,000 513 729 9 85,000
101 121 11 60,000 730 1000 10 90,000
122 144 12 65,000 1001 1331 11 95,000
145 169 13 70,000
170 196 14 75,000
197 225 15 80,000
226 256 16 85,000
257 289 17 90,000
290 324 18 95,000
325 361 19 100,000
362 400 20 105,000
401 441 21 110,000
442 484 22 115,000
485 529 23 120,000
530 576 24 125,000
577 625 25 130,000
626 676 26 135,000
677 729 27 140,000
730 784 28 145,000
785 841 29 150,000
842 900 30 155,000
901 961 31 160,000
962 1024 32 165,000
1025 1089 33 170,000
 表中で黄色に着色しているのは平均値を含む範囲である。報酬を5千円刻みにしたのは特に根拠が有るわけではなく事務の簡素化を考えての判断である。従って平方根に比例させる場合は1万円刻みでも良いかもしれない。どちらが良い制度かは、百倍を超える世帯数に対し、十倍程度の差と良しとするのか、二倍程度に納めるのかという哲学の問題である。
 
 下表は自治会の一覧である。名称は『自治会』『町内会』『区』等、様々であるが、地区名はそれらの接尾語を略してシンプルに表示した。また行政区毎に小計を求め、それぞれの加入率を計算してみた。自治会の世帯数は本年4月1日として申請があったもので、行政区の世帯数は最新の9月1日の値を使用している。金田の79.5%という高さにも驚くが、最小が木更津地区でなく鎌足地区となったことは意外であった。自治会制度を考えれば奥が深いと、改めて考えていた。 
自治会 行政区
No 地区名 世帯数 小計 世帯数 加入率
1 新田 580

11,158 18,868 59.1%
2 南町 200
3 弁天町 170
4 八幡町 45
5 本町 45
6 大和町第1 110
7 大和町第2 140
8 南片町 86
9 仲片町 160
10 北片町 160
11 北町 134
12 新宿 230
13 吾妻 540
14 中里1丁目 250
15 貝渕北 303
16 貝渕南 396
17 桜町 150
18 幸町 300
19 文京 520
20 朝日町 140
21 木更津 135
22 東中央 370
23 大和町 425
24 稲荷町 600
25 桜井北町 143
26 桜井片町 38
27 桜井2丁目 50
28 桜井3丁目 75
29 桜井仲町 77
30 桜井南町 151
31 桜井鶴ヶ岡 91
32 桜井谷 16
33 桜井峯沢井 24
34 桜井東 85
35 請西上1 270
36 請西上2 360
37 請西中 240
38 請西下 120
39 請西東 1,075
40 真舟1丁目 108
41 真舟2丁目 230
42 真舟3丁目 224
43 真舟4丁目 268
44 真舟5丁目 194
45 真舟県営住宅 90
46 東太田 340
47 東太田4丁目 290
48 太田 400
49 伊豆島下 10
50 小浜 113
8,231 10,591 77.7%
51 畑沢1丁目 83
52 畑沢2丁目 84
53 ロア畑沢 59
54 畑沢南1丁目 229
55 畑沢南2丁目 264
56 畑沢南3丁目 196
57 馬込町 102
58 畑沢南4丁目 211
59 畑沢南5丁目 358
60 畑沢南6丁目 337
61 畑沢第1区 95
62 畑沢第2区 107
63 畑沢打越区 157
64 東畑沢第1 167
65 東畑沢第2 192
66 畑沢分譲地 20
67 滝沢 34
68 港南台1丁目 289
69 港南台2丁目 95
70 港南台3丁目 244
71 港南台4丁目 257
72 大久保 94
73 大久保団地1丁目 206
74 大久保団地2丁目東 153
75 大久保団地2丁目西 210
76 大久保団地3丁目 261
77 大久保団地4丁目 317
78 大久保団地5丁目 187
79 大久保団地6丁目 245
80 八幡台第1 270
81 八幡台第2 255
82 八幡台第3 226
83 八幡台第5 413
84 八幡台第6 310
85 八幡台第7 260
86 羽鳥野 670
87 上烏田 76
88 中烏田 8
89 下烏田 47
90 柳町 150
91 一の坪 180
92 長須賀浜 182
7,507 12,295 61.1%
93 長須賀南 400
94 北長須賀 250
95 金鈴塚 50
96 長須賀中央 108
97 長須賀宿舎 75
98 永井作 150
99 永井作1・2丁目 150
100 祇園 127
101 西部弥生町 292
102 東部弥生町 442
103 きよかわ 460
104 清見台県営住宅 60
105 菅生 72
106 椿 51
107 笹子 96
108 笹子団地 45
109 犬成 64
110 東清団地 231
111 東清市営住宅 125
112 中尾 144
113 伊豆島上 27
114 伊豆島中 17
115 ほたる野 640
116 清見相里 400
117 清見台1丁目 250
118 清見台東1丁目 305
119 清見台東2丁目 390
120 清見台東3丁目 410
121 清見台南 425
122 清見台南3丁目 200
123 清見台南4丁目 325
124 清見台南5丁目 204
125 祇園1丁目 185
126 祇園4丁目 155
127 中里2丁目 309
5,530 7,734 71.5%
128 江川 638
129 久津間 240
130 久津間住宅 17
131 万石 480
132 西岩根 130
133 岩根1丁目 72
134 岩根2丁目 65
135 岩根3丁目 140
136 岩根三四会 35
137 岩根4丁目 232
138 高砂1丁目 355
139 自衛隊F・G 223
140 高砂2丁目 160
141 高砂3丁目 230
142 本郷1丁目 240
143 本郷2丁目 259
144 本郷3丁目 110
145 高柳1丁目 108
146 高柳2丁目 185
147 高柳3丁目 151
148 栄町 110
149 住吉町第1〜第4 150
150 住吉町第5〜第7 210
151 住吉団地 73
152 若葉町 205
153 若葉台 48
154 西山 355
155 1区下 65
606 1,089 55.6%
156 1区上 144
157 2区 140
158 3区下 71
159 3区上 66
160 4区 70
161 5区 50
162 上望陀 39
848 1,219 69.6%
163 下望陀 51
164 有吉 80
165 大寺 80
166 十日市場 118
167 井尻 124
168 曽根 58
169 牛袋野 30
170 牛袋川東 110
171 牛袋川西 101
172 浅間下団地 57
173 中島東 91
1,252 1,575 79.5%
174 中島中宿 44
175 中島下宿 54
176 中島鯨 63
177 中島浜戸 59
178 中島新町 88
179 中島高須 146
180 見立 118
181 瓜倉 113
182 畔戸 168
183 牛込 114
184 牛込高須 77
185 中野 117
186 富来田1 125

2,069 2,763 74.9%
187 真里 196
188 富来田3 87
189 茅野 300
190 富来田5 55
191 永井 69
192 孫の台 163
193 宿 83
194 五郷 35
195 富来田8 61
196 地蔵堂 37
197 丹原 20
198 市野々 42
199 富来田11 296
200 田川 50
201 佐野 27
202 土器崎 27
203 42
204 市川 32
205 原林 30
206 石沢 15
207 鳥山 17
208 大鐘 41
209 湯名 16
210 今間 24
211 根岸 25
212 上根岸 48
213 木野根沢 23
214 八万台 16
215 矢崎 31
216 真里西団地 36
合計 37,201 37,201 56,134 66.3%