国会が解散になる
2012/11/15記
 昨日行われた野田総理と自民党安倍総裁との党首討論において、選挙制度改革に協力するなら衆議院を16日に解散してもよいという発言が総理大臣よりなされ、党首討論後に自民・公明がそれに応じる事を決めたので、今月16日に衆議院が解散され、来月の4日に告示、16日に投票となることが決まったようだ。
 正確には明日の解散宣言を待たねばならないのであるが、今更日程が変わることもないだろうから、この12月議会と平行して行われる選挙について思う事を記載したい。
 
 さて、細川内閣が決定した小選挙区制度は、アメリカの民主党と共和党のように、民意に応じてダイナミックに政治が変わる2大政党を目指して居たはずであるが、現状はまるで逆の方向に進んでいるとしか思えない。2012年10月31日時点の議席数は下記の通りである(Wikipediaより引用)。
No 政党名 衆議院 参議院
1 民主党 (1998-) 242 88 330
2 自由民主党 (1955-) 118 83 201
3 国民の生活が第一 (2012-) 38 12 50
4 公明党 (1964-1994,1998-) 21 19 40
5 日本共産党 (1922-1924,1926-) 9 6 15
6 みんなの党 (2009-) 6 8 14
7 社会民主党 (1996-) 6 4 10
8 日本維新の会 (2012-) 5 4 9
9 新党きづな (2011-) 8 0 8
10 国民新党 (2005-) 3 3 6
11 減税日本 (2010-) 5 0 5
12 新党大地・真民主 (2011-) 3 2 5
13 太陽の党 (2012-) 2 3 5
14 新党改革 (2008-) 0 2 2
15 新党日本 (2005-) 1 0 1
16 改革の志士 (2012-) ※ 1 0 1
17 沖縄社会大衆党 (1950-) ※ 0 1 1
18 (無所属) 11 7 18
19 (欠員) 1 0 1
※印は政党助成法上の政党要件を満たしていない政治団体
 
 選挙にあたっては第三極の集結が必要だと議論されている中での突然の解散宣言であるため、細かいことの調整を済ませる暇もなくダイナミックな動きが今後始まるだろう。
 早速、No11の元民主党員を中心とした「減税日本」がNo13の元自民党員で成り立っている「太陽の党」に合流することが発表された。No6とNo8は政策協議が進んでいるし、それ以外の多くの政党が、主義主張を封印して選挙互助会を作成していく過程を今後はニュースで見せつけられることに成るだろう。
 
 年末年始を選挙で染めないように、年内の選挙としたことは評価できるが、裁判所から違憲状態と言われた1票の格差を後回しにしての選挙は、最悪の場合は無効が最高裁より示される可能性があり、定数減が示されている山梨県、福井県、徳島県、高知県、佐賀県の5県では夏の参院選に合わせるか、早々に再選挙にしなければならなくなる事も想像される中での解散である。
 これは、立法府が法を作らなかった責任を混乱やコスト負担として国民が負うことになる。このような事の一つをとっても決められない政治にウンザリしている人は多かろう。
 
 しかし、年内の選挙が終わっても、仮に自民党と民主党の連立政権でも出来ない限り参議院でのねじれが続き、夏までは決められない政治が続くことになりそうで選挙に対する高揚感が涌いてこない。3年前の「政権交代」のフレーズで見た夢と、現実との落差に多くの国民が政治不信になっている状況を、来年の前半は加速させてしまうだろう。だから選挙の後に良い世の中が出来ますよ、と言いにくい状況になっているのだ。
 国民も浮気ばかりせず、腰を落ち着けて、何れかの政党を支援し続けるという行為に出ないと、メディアの情報によって国家がふらつくことが今後も繰り返されるであろう。
 
 告示日は木更津市議会では個人質問の初日になる見込みで、選挙期間中に常任委員会や地域の忘年会など、多くの日程がつまっている中での選挙である。日本を良い国にするため、我々は頑張らねば成らないのであるが、正直、気乗りのしない選挙が実質的には明日から始まってしまうのだ、と思いながら記述した。